焼きうどん「発祥の店」キッチンカーで再開へ 小倉の大規模火災1年
北九州市小倉北区の飲食店街「鳥町食道街」一帯で発生した大規模火災から3日で1年となる。被災した焼きうどん発祥の店とされる「だるま堂」は、今月中旬にも食道街跡地にキッチンカーを常駐させる形で店を出し、新たに歩み始める。 昨年1月3日の火災では食道街全22店舗を含む36店舗、計2730平方メートルが焼損した。がれき撤去は終わったが、広大な跡地の再開発は未定だ。だるま堂のキッチンカーは、その一角の土地を借りて常設的に置く。4月に近くの小倉井筒屋で店舗を開いているが、1945年創業の伝統の味を創業の地で提供する。 12月15日に復活祭として1日限定で開店すると、限定300杯が完売した。店主の竹中康二さん(56)は「常連さんも応援にきてくれて、ありがたい限りです。食道街復活の礎になれば」と意気込んでいた。 地権者らでつくる「魚町地区の復興を考える会」は昨年末の会合で、今年5月をめどに広場を整備することを決めた。キッチンカーを並べイベントを開くことなどを考えているという。周辺の一体的な再開発を目指すことで総意がとれたものの、再開発には時間がかかるため、当面の間、にぎわいづくりの場とすることに決めた。会は2025年度、再開発検討に向け新たに協議会を発足させる方針だ。(興津洋樹、城真弓)
朝日新聞社