臨海副都心エリアのアートフェス「ARTBAY TOKYO」レポート。人と場所が交差することで生まれる新たな体験
AR体験で迫力満点の“ピンクの猫”が映し出される
◆日常との対話:「石と光の広場」エリア 「花の広場」に隣接する「石と光の広場」エリアでは、つい写真に収めたくなるようなインパクトのある作品「ピンクの猫の小林さん」のAR体験を楽しめます。 「ピンクの猫の小林さん」は、2007年から活動を続けている「デコレータークラブ」の作品のひとつ。決して全貌を捉えられない大きな猫がまち全体を覗き込む違和感や驚きを味わえるのが魅力です。これまでも箱根の彫刻の森美術館や横浜の金沢区でビッグサイズの「ピンクの猫の小林さん」を展示してきました。 制作者の飯川雄大飯さんが今回のAR体験について語ります。 「東京都で、厚み50m、幅400m、高さ270mになるサイズを展示するプランを提案していたのですが、実現できずにいました。そこで将来大きな作品を実現するためのきっかけになればとARで表現してみたんです。東京ビッグサイトから顔やしっぽを出すインパクト満点の『ピンクの猫の小林さん』。他にはないインタラクションを楽しんでみてください」 展示されているSTYLYのアプリをダウンロードし、QRコードを読み込むと大きな「ピンクの猫の小林さん」がワシントンホテルと東京ビッグサイトの間に出現します。猫の姿は時間によって変わり、3パターンあるので、どんな姿をとらえられるかは、その時のお楽しみ。つい「可愛い~!」と言いたくなるインタラクションは必見です。 このエリアには、デコレータークラブの活動を紹介する4つのギャラリーも展示されています。実は、ギャラリーの外にいくつか置かれているバッグパックも作品のひとつ。持ってみると20キロ以上もする重いバッグなのです。この《ベリーヘビーバッグ》という作品は、作品と言われるまで認識できない見た目と、見た目と持ってみた感覚のギャップを楽しめます。 また、ギャラリーには《ベリーヘビーバッグ》を運ぶ《新しい観客》の映像も流れています。一昨年、兵庫県立美術館から大阪国立美術館の間を50人が行き来した記録を残している作品で、観客の人にアクションを起こしてもらい、それを作品に繋げる新しい試みでアートを盛り上げています。