どうなる2025年の石破政権? 専門家に聞く「大連立」「衆参同日選挙」「103万円の壁」の雲行き
少数与党での門出となった石破政権。東京都議選と参院選を控え、2025年は野党とどのような攻防を繰り広げるのか? 日本大学危機管理学部教授/東京科学大学特任教授の西田亮介氏に聞いた。 【映像】「大連立」「衆参同日選挙」「103万円の壁」はどうなる? 1月6日の年頭会見で石破総理は噂されていた「大連立」を改めて否定した。 この点について西田氏は「可能性として述べてみたものの報道を通じて“走りすぎた”という印象が強かったのではないか。大連立するとなると野党のどこかの政党が閣内に入ることになるが、“閣内一致の原則”がある。これは、『内閣の中では閣僚の考えは一致するべき』というものだが、大連立するとすれば、今の状況では攻め時の野党にとっても批判しにくくなり、不利だ。また、自民党の中でもそれほど詰めていなかったのだろう」と説明した。 石破政権にとって大きな山の一つが3月上旬に予定されている予算案の成立だ。 西田氏は「予断を許さない状況だ。予算成立がうまくいかないようでは政権運営がうまくいっていない、という評価を受けるだろう。当然、野党はそれを“攻めどころ”だと十分に理解している。そして予算に自分たちの主張を反映させ、自分たちの“手柄”だと参院選と東京都議会選挙で主張したいはずだ。そのため、それぞれの野党が『これを飲み込んでくれるのであれば予算に賛成できる』などとちらつかせている」と解説した。 さらに西田氏は国民民主党が主張している103万円の壁引き上げについては「123万円までで済ませるのか、それとも178万円まで引き上げるのか、せめぎ合い」であり、日本維新の会が主張している教育無償化については「教育無償化は所得制限がついてはいるものの高校まではある程度実現している側面もある。維新が掲げる教育無償化とはそもそも何を意味するのかはっきりしていない印象だ」と述べた。 そんな自民党は「国民民主党一本足よりも二股をかけた方が、両方に対して駆け引きができる。そのため今は国民民主と維新のどちらにもいい顔をしてるのだ」と分析した。 それでは野党第一党である立憲民主党はどうか? 西田氏は「議席数から見ても潜在的な役割は大きい。立憲民主は昨年、国民民主や維新とともに給食費の無償化に関する法案を出している。中身は詰めきれていない印象だが、本法案をはじめ野党第一党として現実的批判と提案の丁寧な与党とのコミュニケーションが求められる」と述べた。