子どもに“性教育”をどう伝える?園では絵本で「ダメ」を伝える練習も
奥村園長がこのような性教育を実施するまでには時間がかかりました。「(園児に性教育を)やっていきたいなと思った時は、“寝た子を起こさないで”みたいなそういう風潮がありまして。性の話題にはタブー視、ちょっと避ける感じ(があった)」と、実施まで時間を要した理由を明かします。 絵本の“読み聞かせ”を通じて、子どもたちへ行う性教育。奥村園長は、「子どもたちが犠牲にならないように、性の大事さを伝えていかないとつくづく思っている」と園における性教育の役割を語りました。
子どもの成長・発達に合わせた指導が大切
「キャッチ!」では、10件の保育園・子ども園を対象に、「性教育の時間を設けているか?」と質問。「設けている」と答えたのが3園、7園が「設けていない」と回答しました。設けていない園の担当者は「性教育は、まだ早いという保護者の声もある」と答えます。 一方、性教育の時間を設けている保育園にも課題が。設けている園の担当者からは、「園で教えても、親戚などがキスしたりズレを感じる」という意見が寄せられるなど、性教育が進んでも、周りの社会が追いついていない様子が垣間見えます。
「キャッチ!」コメンテーターで、保育士として活動する「てぃ先生」は、“親の準備”の重要さを挙げ、「(性教育について説明する)タイミングを逃しかねないので、“親の準備”も大切。親がうろたえてしまうと、そういう話題を出していけないのかと子どもが思ってしまう可能性がある」と話します。 また性教育に対する、子供たちの“受け取り方”にも注目。「(性教育に対する)子どもたちの受け取り方もさまざま。子どもたちが興味をもっているかな?と考えながら、興味をもっている子どもたちにそれを伝えよう、というスタンスが大事だと思います」と子どもの成長や発達に合わせること、興味や関心をもった時に少しずつ話していくなど、一人ひとりのペースで性教育を進めていく大切さを話しました。
また、「自分の子どもが小学校になったタイミングで性教育に関する意識がないと、我が子が誰かのプライベートゾーンをさわってしまう可能性もある」と話し、「自分の子供が“被害に遭う”という視点だけでなく、“自分の子供がしてしまうかも”という意識ももつべき」と、親世代における性教育との向き合い方を述べました。 保育の現場でも、進みつつある“性教育”。未来に向けて、全世代が“性”について考えていけるような環境づくりが大切です。