子どもに“性教育”をどう伝える?園では絵本で「ダメ」を伝える練習も
子どもたちを性犯罪から守るため、法整備を進めるのと同時に大切なのが“教える”ということ。 以前「キャッチ!」で取材した、小学1年生の時に担任の教師から性被害を受けていたという女性も、「その行為がどういう意味かも分からなかった」と、当時の気持ちを明かしていました。被害を受けていたことに気付かなかったため、誰にも訴えることができず、発覚が遅れてしまう事態に。性に関する教育を受けていたら、被害を受けた当時に周囲に相談できていたかもしれません。
絵本を通して“性の大事さ”を伝える
今、性教育の現場はどうなっているのでしょうか。「キャッチ!」は、名古屋市の子ども園を取材しました。 訪れたのは、名古屋市中村区にある『稲葉地こども園』。この園では3年前から、園長先生自らが“体のプライベートゾーン”に関する絵本の読み聞かせを行っています。読み聞かせに参加しているのは、5歳と6歳クラス。「体の特別大事なところはどこかな?さぁどこでしょう?」と、園長先生が絵本を通して園児たちに問いかけます。
『稲葉地こども園』の奥村紀子園長は、「水着で隠れるゾーンはプラベートゾーン。見せちゃいけないということを具体的に話せるなと。絵本に親しみながら自分たちの身を守るっていうことにつなげていけたら」と、読み聞かせの目的を話します。
奥村園長が読み聞かせていた絵本は、大泉書店が出版する、遠見才希子作「だいじ だいじ どーこだ?」。体の大切さだけではなく、一人ひとりがかけがえのない存在ということを伝える「からだ」と「性」の絵本です。園で使っている絵本は、奥村園長自らが準備。読み聞かせ時には、実際に大人からの“性的な声かけ”を受けた時、拒否をする練習も実施していました。
ユネスコ「国勢セクシュアリティ教育ガイダンス」では、“いいタッチ”と“悪いタッチ”を5~8歳の性教育の学習目標として設定。子どもたちに“いいタッチ”と“悪いタッチ”を理解をさせ、悪いタッチをされたらノーと言うなど、対応についても教えるよう示しています。