ニホンジカのわなにツキノワグマかかる 民家までの距離600メートル “人の怖さ学ばせ”・・・山林へ放獣 三重・紀北町
三重県紀北町で7月3日、ニホンジカを捕獲するための箱わなにツキノワグマがかかる、いわゆる「錯誤捕獲」されていたことがわかりました。 県の担当者によると、錯誤捕獲されたのは体長119㎝、体重34㎏のオス。民家から約600メートル離れた場所に仕掛けた箱わなにかかっていたところを町民が発見し、通報したということです。県内でツキノワグマが錯誤捕獲されたのは、5月18日の熊野市に続き2件目です。 三重県ではツキノワグマなどの野生動物を錯誤捕獲した場合、人や農作物などに被害が出ていなければ山に返すのがルールとなっていて、今回も翌4日に町内の山林に学習放獣されました。放獣前には、記録のための耳タグとマイクロチップも装着したということです。 学習放獣とは、捕獲したクマに対して「檻を叩く」「爆竹を鳴らす」「忌避スプレーを噴霧する」などを行い、人の怖さを学ばせてから山に返すことで、他県の事例をみると、学習放獣によってクマが人里に近づかなくなったなどの報告があることから、一定の効果が見込めるとされています。 県の担当者はクマ対策として「クマに出会ったときは、目を合わせながら後ろに下がるといいと一般的にはいわれているが、状況によっては効果がないこともあるので、出くわさないようにすることが一番大切。クマが出没するエリアには近寄らない、どうしても近寄らなければいけない場合は、クマ避け鈴やラジオなど、音が出るものを必ず携帯してほしい」と注意を呼びかけています。