【Q1】男性ホルモンが多いとモテそう。加齢で減少すると聞いて心配です
男らしさの要、モテるホルモンと言える「男性ホルモン」が加齢で減少すると聞いて、他人事ではいられないオヤジさんのためのQ&A。新橋消化器内科・泌尿器科クリニックの伊勢呂院長に答えていただきました! オヤジ美容のススメ
A.男らしさを司るホルモンですが、ピークは20代です
男らしさを象徴するイメージの「男性ホルモン」が加齢で減少すると聞いて、不安を覚えないオヤジさんはいないでしょう。ちょっとしたことでイライラしたり、なぜか気分が落ち込んだり、性欲もいまひとつ……。そんな日々が続くなら、男性ホルモンの低下が引き起こす男性更年期障害かもしれません。 そこで、男性ホルモンにまつわる疑問を掲げ、新橋消化器内科・泌尿器科クリニックの院長・伊勢呂哲也先生を訪ねました。
Q.男性ホルモンが多いとモテそう。加齢で減少すると聞いて心配です
── そもそも男性ホルモンにはどんな働きがあるのですか? 先生 男性ホルモンにはいくつか種類がありますが、最も重要なのがテストステロンです。男性の場合はテストステロンの95%が精巣、5%が副腎で作られ、血中に分泌されています。 テストステロンの主な働きは、筋肉量を増やして骨を太く丈夫にする、体毛を増やす、性欲を高めて精子を作ること。内臓脂肪を減らす作用、血液や皮脂を増やす作用もあります。やる気や決断力などのバイタリティの源でもあるので、チャレンジ精神や集中力も高まります。男性の心と体にとって、とても重要な役割を果たしているのです。 ── まさにモテるホルモンじゃないですか! 加齢で減少すると聞きましたが、本当ですか? 先生 モテるホルモン、そうですね(笑)。男性ホルモンの分泌量は20代でピークを迎え、加齢とともに緩やかに減少していきます。それによって心や体にさまざまな不調が起きている状態が、男性更年期障害です。
── 更年期って女性だけじゃないんですね。具体的にはどんな症状ですか? 先生 男性ホルモンの作用と逆ですね。意欲の低下、物忘れ、慢性的な疲労感、内臓脂肪の増加、体のほてりや発汗、睡眠障害、性欲の低下、ED、朝立ちの消失、頻尿などが主な症状です。 今でこそ男性更年期障害という言葉も周知されてきましたが、僕が泌尿器科医になった15年前は、日本では単なる年齢による疲れや怠けと捉えられていて一般的ではありませんでした。 ── “怠け”って思われたら辛いです……。 先生 ここ10年くらいでようやくホルモンの低下と不調を結びつけて考えられるようになったので、泌尿器科医でもあまり詳しくない人もいます。これからどんどん広がっていく概念なんだと思います。