【DeNA】26年ぶり日本一にOB稲川誠さん「うれしかったなあ」筒香、桑原とは寮長として接する
<We love baseball> DeNA26年ぶりの日本一は、いろんな人を幸せにした。 「うれしかったなあ。ずっと見てたよ。朝はドジャース、夜は日本シリーズ。女房に怒られた」。電話口の声が弾んだ。稲川誠さん(88)の喜ぶ顔が目に浮かぶ。 60年代に大洋の主力投手として活躍。1年目の62年から5年連続2ケタ勝利を挙げ、63年には19完投で26勝を挙げた。68年限りで引退後は、コーチ、スカウト、寮長を歴任。50年近く、ホエールズ、そしてベイスターズに携わった。球団を離れても「愛着がある」。三浦監督とはスカウトとして、シリーズでも活躍した筒香や桑原とは寮長として接した。「筒香はよく練習してたなあ。晩飯のあと、隣の室内でずっと打ってた。桑原もそうだよ」と、安針塚時代を懐かしむ。 ひとしきり盛り上がった後、お祝いムードを打ち払うように切り出した。「優勝した次の年が大事だね」。一時代を築いた稲川投手も「優勝」「日本一」には縁がなかった。球団初優勝は60年。翌年は最下位に沈み、さらにその翌年に入団したが「まだ舞い上がってた感じ。(戦力も)こんぐらいしか取らないのかと思ったよ」。前回98年時はスカウトだった。オフに積極的な補強を訴えたが、そうはならなかった。結局、38年、26年と、ブランクがかかってしまった。 優勝しても補強の手を緩めないこと。もっと強くなって欲しいから、あえて警鐘を鳴らした。「秋山登さん、近藤和彦さん、昭仁、桑田武…。みんな死んじゃった。寂しいなあ。死ぬまでに優勝しろって言ってたから、僕も死ななきゃならないね」とジョーク交じりに言った。いえ、リーグ優勝はしてません。「本当だ。ははは」。これからも、厳しくも温かい目で見守ってください。【古川真弥】