訪日客が明暗分けたスキー場経営 白馬村盛況、値上げでも円安追い風 「地域密着」苦境、雪不足が追い打ち
家族連れ中心の「地域密着」 雪不足で営業日数が少なく「売り上げ4割減」
一方、訪日客が来ないスキー場は厳しい状況だ。 東筑摩郡麻績村の第三セクター、聖高原リゾート株式会社が運営する聖高原スキー場は、1月15日に営業を始めたが、雪不足で2月20日~3月1日に休業。結局同10日に営業を終えた。雪があるシーズンは計75~80日ほど営業できるが、今季はわずか45日間。担当者は「例年と比べ来場者数も売上額も4割は減る」と肩を落とす。 ペアリフトが1基だけの小さなスキー場で、客層は長野市や千曲市など近隣の家族連れが中心。「地域密着」を掲げており、訪日客の受け入れは考えていないという。キャンプ場の運営や聖高原周辺の別荘地の除雪などを村から受託して収支バランスを取っている。
乏しい海外向けノウハウ 近隣ホテルからの受け入れ模索
小県郡長和町の三セク、株式会社マウント長和が運営するブランシュたかやまスキーリゾートでは、今季の来場者数は約6万人。「スキーヤーオンリー」をうたい安心してスキーができる環境をPRするが、来場者は減少傾向だ。 これまで外国人の誘客には力を入れてこなかったが、昨年12月に県観光機構の依頼で台湾の修学旅行団体を受け入れた。同社の小林雄一係長(43)は、雪に触れて喜ぶ生徒たちを見て手応えを感じたという。 ただ、海外に向けた営業のノウハウはない。まずは近隣の白樺高原のホテルから宿泊者をスキー場に受け入れられないか、模索する考えだ。