１回、左前打を放つ森下（撮影・飯室逸平）

　「阪神１－５広島」（１０日、京セラドーム大阪） 　試合後、駐車場に現れた阪神・森下翔太外野手（２３）と佐藤輝明内野手（２５）は悔しい敗戦をかみしめた。首位・広島に痛恨の２連敗。森下に完投勝利を許し、２人は素直に脱帽した。 　森下が「（森下は）最初から良かった。球も走ってましたし変化球も低めに集まっていました。チャンスをものにするしかなかったかなと思います」と悔やめば、佐藤輝も「すごいいいピッチャーだった。チェンジアップが効いていて良かったですね」と唇をかんだ。 　チーム最初の快音は森下のバットが奏でた。初回、２死から森下の速球を捉えて左前打。３試合連続安打をマークした。ただこの夜は４番・佐藤輝がブレーキだった。初回の第１打席で三飛に倒れるなど、４打数無安打。三、六回はクリーンアップが三者凡退に終わり森下を乗せてしまう。４点を追う九回は先頭・森下が四球で出塁したが、佐藤輝は右飛、最後は大山の二ゴロ併殺でゲームセットとなった。 　チームが苦しい時こそ３、４番に救ってほしい。森下は月間打率・３３３を記録した７月に続いて、８月も打率・３４４、２本塁打、９打点と好調をキープする。前夜、敗戦につながる失策を犯した佐藤輝も前を向く。試合前練習では馬場内野守備走塁コーチからスローイングの指導を受け、「しっかり送球できるようにいろいろ話して。今日はいいプレーが出たので良かったですね」とうなずいた。 　３戦目に引き分け以下で自力優勝の可能性が消滅する。森下は「全部負けられない戦いなので。負けようとも思ってないし明日切り替えて頑張るしかない」と一戦必勝を誓う。まだ８月中旬だ。セ・リーグの灯を消すわけにはいかない。