「アナ雪」に「おしゃべりな雪だるま」を登場させる巧妙さ…子ども向けのディズニーが「世界一」を獲れた真の理由
■ディズニー本社によるヒットはなくても安泰 逆に言えば、最近のディズニーが業績不振になっているのは、映画のヒットが出ていないためでもあります。しかし、ディズニー本社のヒット作品はなくても、買収した子会社がヒット作を連発してくれていますので、ディズニーはこれからも安泰だと言えると思います。 ディズニー傘下の関連企業が制作した映画が、いかにヒット作ばかりであるかは、全世界映画興行収入のランキング(図表2参照)を見れば一目瞭然です。興行収入トップは、2009年の『アバター』の29.237億ドルで21世紀フォックスの制作、2位が2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』の27.994億ドルでマーベルの制作でした。 ディズニー制作の映画は9位の『ライオン・キング』だけですが、10位中8.5本がディズニー傘下の制作作品なのです。ディズニーは、まさに映画界を席巻していると言っていいでしょう。 ■キャラクターの持つ力を重要視 ディズニーは世界のブランドランクで常にトップ10に入るほど、そのブランドはとてつもなく強い力を持っています。なぜ、ディズニーのブランド力はこれほどまでに強力で、全世界で影響力を持ち続けることができているのでしょうか。 ウォルト・ディズニー・カンパニーのミッションは、ホームページによれば、「世界中の人々を楽しませ、知的好奇心を満たし、ひらめきと感動をお届けすること。象徴的なブランド、クリエイティブな精神、革新的な技術を生かして比類なきストーリーテリングの力を発揮し、世界最高峰のエンターテインメント企業であり続けます」と書かれています。 この言葉には、ディズニーが世界一のエンターテインメント企業、コンテンツ企業であり続ける理由が凝縮されているように思います。このミッションを遂行するために、ウォルト・ディズニー・カンパニーが取り組んでいる手法、ブランド戦略とはどんなものなのでしょうか。 まず、ディズニーは、キャラクターと、キャラクターの持っている力を非常に重要視しています。なぜなら、全世界の顧客、ディズニーファンたちは、愛すべきキャラクターとのタッチポイント(接点)を欲しているからです。 顧客はストーリーを通してキャラクターを愛するのです。そして、そのキャラクターへの愛に応えるために、ディズニーはそのキャラクターと顧客との接点を可能な限り増やし、満足させようとしているのです。