韓国ビールと焼酎、グローバル市場で共鳴…済州焼酎、OBビール傘下
【09月15日 KOREA WAVE】韓国ビール大手「OBビール」はこのほど、新世界グループの酒類専門系列会社「新世界L&B」から済州焼酎を買収・合併すると発表した。これは国内の焼酎市場攻略が目的ではなく、輸出の前進基地として活用する意図があるとみられる。韓国料理「Kフード」のグローバル人気に伴い、焼酎の需要が増加している状況を踏まえ、ビールブランド「カス(CASS)」の輸出と相乗効果を高める戦略として評価されている。 済州焼酎は2011年に済州道(チェジュド)の地元企業としてスタートし、2016年に新世界グループのイーマートが買収。2021年には焼酎ブランド「プルンバム(青い夜)」が廃止され、国内の焼酎事業は停止されていた。同年、新世界L&Bの傘下に移り、2022年からはベトナム、シンガポール、タイなど東南アジア諸国を中心に果物焼酎の輸出を拡大してきた。 済州焼酎はイーマートが買収した当時、190億ウォン(約20億円)相当の価値があり、その後4年間で有償増資などを通じて570億ウォン(約60億円)が投資されたが、営業損失は434億ウォン(約46億円)に達していた。業界では、OBビールが合理的な金額で済州焼酎を買収したとみている。 済州は島という特性上、水資源に関する規制が厳しく、取水量に関連する事業許可取得も他地域に比べて難しい。酒類製造に必要な水使用の免許取得も同様だ。このため、OBビールは多額の費用と時間をかけることなく、地理的な利点を持つ輸出拠点を確保したという評価が出ている。 OBビールは今回の買収で済州焼酎のフルーツ焼酎輸出事業を継承し、長期的には現在、光州(クァンジュ)工場に集中しているビールの輸出量を済州焼酎工場に移転・拡大することで、輸出の相乗効果を最大化する。 実際、OBビールは済州焼酎のフルーツ焼酎輸出で構築された海外営業網と、国内ビール1位ブランド「カス」を通じて、ウィンウィン効果を狙っている。 カスは現在、安定した輸出実績の増加を示しており、今年は2020年に比べて輸出量が約66%増加。2020年以降、年間平均約14%の輸出成長率を記録している。特にモンゴル、台湾、オーストラリア、欧州など主要海外市場で販売量が上昇中だ。 OBビールはカスのグローバル認知度向上のため、パリ五輪開催時に現地に「カスポチャ」を設置し、韓国式屋台をテーマにしたプロモーションブースを運営した実績もある。 OBビールのク・ジャボム副社長は「今回の買収はOBビールの長期成長戦略の一環で、新たな可能性を切り開くことになるだろう。OBビールは韓国の消費者に最高のビール体験を提供することに専念しつつ、今回の買収を通じてカスの輸出ネットワーク拡大に注力していく」と話している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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