深谷・地元中学生が育てた芋、焼き芋で販売 「本が読める焼き芋屋」が協力
地元中学生が栽培・収穫したサツマイモを焼き芋にして販売する体験「地域のぬくもり、みんなの焼きいも」が12月11日、「本が読める焼きいも屋 UBUHI(うぶひ)」(深谷市人見)で行われた。(熊谷経済新聞) 【写真】本が読める焼き芋屋UBUHI の店内。テーブル席のほか本棚の前にフラットなスペースもある 地域と協働した体験学習の一環で、畑では学校応援コーディネーター吉仲徳郎さん、学校応援団の飯野邦雄さんがサポートし、学校運営協議会委員で同店の清水隆さんが焼き芋と販売に協力した。 販売に参加したのは、深谷市立藤沢中学校特別支援学級の生徒7人。当日は店舗入り口脇の販売テーブルに窯から出したばかりの焼き芋が並んだ。大・中・小と大きさによって価格が異なり、小(3本100円)中(1本100円)大(1本150円)と書いて張り出した。 「大と中1本ずつください」と注文が入ると、生徒たちは「ありがとうございます」「250円になります」と返事をしながら、新聞紙で作った袋に商品を入れる人、代金を受け取り、計算する人、売上表に書き付ける人とそれぞれ役割分担して動き、おつりを確認して手渡したり、商品を補充したりする姿が見られた。 この日「お客さん役」としてやってきたのは、同校区内にある市立藤沢小学校の児童7人。一人ひとり500円玉を手にして並び、欲しいサイズや本数と合計金額を考えながら買い物を体験した。焼き芋を受け取ると、店内のカフェでおいしそうに食べていた。販売を知り、買い物に訪れた保護者は「和気あいあいほのぼのした雰囲気で皆、楽しそう。小学生も中学生も異なる世代との関わりは、いい情操教育になると思う」とほほ笑む。 サツマイモの植え付けは6月ころから。地域の人たちの協力で栽培から収穫、焼き芋にするための準備、価格調査なども行ったという。当初校内での販売を考えていたが、校区内に今夏オープンした焼き芋店の協力で店頭販売が実現した。店主の清水隆さんは「焼き芋の窯を動かすことが難しいので、それなら店で販売してはということになった。皆さんの活動する様子が見られ、焼き芋もおいしいと言ってもらえて、こちらも楽しい」と話す。 約1時間の販売時間で40本以上の焼き芋が売れ、販売に立った生徒からは「お客さんに手渡してありがとうと言ってもらえたのが良かった」「焼きたてが売れてうれしい」「一番売れていたのは中サイズ」「お得なのは小3個セットだと思う」とさまざまな感想が上がった。 大沢裕校長は「自分たちが育てたものを売る経験は、将来を考えるきっかけやキャリア教育につながる。地域の皆さん、各家庭の協力がありがたい。これからも続けたい」と話す。
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