【いつか泊まりたい山小屋#48南アルプス・北沢峠こもれび山荘】山もグルメも大満喫!南アルプス北部の玄関口に建つ山小屋
【いつか泊まりたい山小屋#48南アルプス・北沢峠こもれび山荘】山もグルメも大満喫!南アルプス北部の玄関口に建つ山小屋
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。48軒目は、南アルプス北部の玄関口、北沢峠こもれび山荘をピックアップ。
仙丈ガ岳と甲斐駒ガ岳という2山を目指せる拠点
標高3、033mの仙丈ガ岳と標高2、967mの甲斐駒ガ岳。文筆家・深田久弥氏の『日本百名山』にも選ばれている、南アルプス北部を象徴するふたつの山の谷間に、北沢峠こもれび山荘は佇む。山小屋周辺を指す「北沢峠」の標高は約2、000m。南アルプス林道バスに乗れば、50分ほどでふもとの長野県伊那市からこの峠までアクセスできる。とくに北沢峠こもれび山荘はバス停の目の前に建っているため、2山の登頂を目的とする山旅の拠点として利用されることが多い。 北沢峠こもれび山荘は、南アルプスの登山道の開拓や山小屋の建設に尽力した竹澤長衛氏の息子、竹澤昭一氏が1962年(昭和37)に開業。当初は「長衛荘」という名前だった。南アルプススーパー林道(現 南アルプス林道)の開通と同年である1980年(昭和55年)に全面改装を行い、現在の姿に。建物は2階建てで、大きな薪ストーブが設置された1階には受付、食堂、談話室、カイコ棚の客室が、2階には畳敷きの相部屋と個室が用意されている。
泊まるからこそ味わえるこだわりグルメの数々
山小屋の目の前にバス停があること、仙丈ガ岳も甲斐駒ガ岳も健脚であれば日帰りでも往復できることから、北沢峠こもれび山荘を立ち寄りで利用する登山者も多い。この山小屋に立ち寄れば、売店でソフトクリームやブラウニー、コーヒーなどを購入できバスの待ち時間を快適に過ごすことができるが、やはり宿泊で利用することをおすすめしたい。その理由は、より安全に山歩きを楽しめるうえ、宿泊客しか味わえないグルメが提供されているから。 なかでも注目は、手作りにこだわった夕食メニューだ。メインは、スープカレー&手ごねハンバーグと、トマトクリームシチュー&冷しゃぶ(またはしょうが焼き)の2種類。連泊者でも飽きないよう、異なるメインが交互に用意されているのが食いしん坊にはうれしいところ。ふもとのブルワリー産の樽生ビールや地酒が充実しているのも見逃せない。食事やお酒を存分に味わいながら、山小屋の夜を満喫しよう。