『降り積もれ孤独な死よ』美来役でデビュー 18歳の新鋭・水野響心、俳優としての決意
思い悩む時期もあったがやっぱり演技が好き
――高校卒業からデビューまで順調でしたか? それとも悩む時期もありましたか? 水野:事務所は高校2年生のときに決まったのですが、そこから実際の演技のお仕事になかなかつながりませんでした。高校の間は部活やアルバイトもあって、忙しく過ごしてはいましたが、ふとした瞬間に「このままでいいのかな」「大丈夫なのかな」と思うことはあって。東京に住んでいる子たちは、私がいまこうしている時間にも演技に時間を割いているのかもしれない。「ここにいていいのかな」と。3年生になると、周りは大学進学や就職を決めていくし、置いて行かれている気がして。挫折とまではいいませんが、そうした気持ちになったことはあります。 ――上京して踏み出してみて、また気持ちを新たにできたのでしょうか? 水野:最終的に、やっぱり演技が好きだという気持ちに落ち着くんです。2年間くらい、ずっと悩んでいました。でも上京して、こうして『降り積もれ孤独な死よ』にも出演させていただいて、やっぱりこの道に決めてよかったと思えるし、地元で悩んでいた時期も、今の私を作り上げていく大切な時間だったと感じています。私は、「どんなことも全て経験」という言葉が好きなんですけど、悩んでいた2年間も、ひとつの経験だったなと思います。 ――どなたか憧れている俳優さんがいたら教えてください。 水野:杉咲花さんがとても好きです。私は、作家の湊かなえさんが大好きで、『夜行観覧車』も読んでいました。杉咲さん出演のドラマ版を中学生のときに再放送で観て、すごい衝撃を受けたんです。杉咲さんも、撮影当時、中学生くらいだったと思うのですが、自分と同じくらいの年齢で、こんなに影響力のある演技ができるんだと。そのときはただただ「すごい」と思っていましたが、憧れというか、目標、ああいう演技をしてみたいなと思えるきっかけの存在になりました。 ――最後に、これからの水野さんに期待している人たちにメッセージをお願いします。 水野:これからもずっと演技に携わっていきたいと思っています。経験値が浅い分、自分の理想と出せることのギャップも感じていますが、『降り積もれ孤独な死よ』でもたくさんのことを吸収させていただきました。挑戦し、経験し続けることを止めずに、演技力を高めて、水野響心だからこそ作れる雰囲気を、少しずつ築いていけたらと思っています。
望月ふみ