ネスカフェ史上初のカフェイン50%オフで挑む成熟市場、「ゴールドブレンド カフェインハーフ」の革新/ネスレ日本
ネスレ日本は、カフェイン摂取量を調整できる新たな選択肢として、カフェイン50%オフの「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインハーフ」を11月20日に発売する。「ネスカフェ」史上初のカフェインハーフで、健康志向が高まる中、成熟するコーヒー市場での新たな需要喚起をねらう戦略製品だ。 「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインハーフ」は、一般的なコーヒー抽出液と比較してカフェインを50%削減しながらも、ブランド特有の豊かな香りと軽やかな味わいを実現。カフェインレスとは異なる中間的な選択肢として、健康志向や多様化するライフスタイルに応える製品だ。カフェインハーフは、インスタントコーヒーのカテゴリーで日本初であり、確認できる限り世界的にも珍しいので革新的製品といえるだろう。
15日に行われた製品発表会で、同社飲料事業本部の中西弘明シニアマーケティングスペシャリストは次のように話した。「“ネスカフェ ゴールドブレンド”としては50年ぶりに新たなカテゴリーを打ち出す。自分好みにカフェイン量が選べる“カフェインチョイス”というコンセプトを提案していきたい」。 製品展開は段階的に進められ、まずは20本入りスティックタイプをAmazonや一部小売店で先行販売し、2025年春には詰め替えパックや瓶入りを含む多彩なラインアップの全国発売を予定している。幅広い消費者層への浸透を着実に図るとともに、市場でのポジショニングを確立していく考えだ。 「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインハーフ」製品化にあたっては、選び抜いたコーヒー豆を使用し、豆の特徴に合わせて徹底した時間と温度管理で焙煎することで、満足感と飲みやすさを両立させているという。朝や昼だけでなく、従来はカフェインを控えていた夕方でも、“気兼ねなく楽しめる”新たなコーヒー体験を提供する。 近年、健康志向やライフスタイルの多様化を背景に、カフェインを含まなかったり、カフェインの含有量が少ない飲料の需要が増加している。ネスレによる調査では、全世代で3人に1人がカフェイン摂取量を気にしており、特に20~30代では約4割がカフェインに対する意識を高めていることがわかったという。 また、コーヒーの味わいについては「すっきりとした後味」や「軽やかな飲み心地」を求める傾向が顕著であり、こうした消費者ニーズが「カフェインハーフ」という新しい選択肢を生む原動力となったとしている。 大東文化大学スポーツ・健康科学部健康科学科の福島洋一教授は、カフェインの摂取について、欧州食品安全機関(EFSA)による健康上の問題がないとされる摂取目安量は、健康な成人で1日あたり400mg程度で、コーヒーだと約5杯(1杯=140mlとして)に相当すると紹介した。また、「コーヒーは生活リズムを整えるツールになり得る」とし、朝や昼はカフェインを含むコーヒーでシャキッとし、午後はカフェインハーフ、夜はカフェインレスを楽しむなど、時間帯での飲み分けを提案するとともに、「自分のライフスタイルに合わせて楽しんでほしい」と話した。 ネスレ日本はこれまでも、1967年に日本初のフリーズドライ製法を導入し、1974年には「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス」を発売するなど、革新的な製品を次々に市場に投入してきた。「カフェインハーフ」の登場は、同ブランドにとって約50年ぶりの新カテゴリーの開拓となる。 国内の家庭用カフェインレスコーヒー市場が過去10年間で約3倍に成長(ネスレ日本調べ)する中で、「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインハーフ」は、カフェインレスとは異なる中間的な選択肢となる。家庭用カフェインレス市場の隙間を埋めるだけでなく、健康志向やライフスタイルに対応し、消費機会そのものを拡大する可能性を秘めている。 「カフェインハーフ」は、通常の「ゴールドブレンド」や「カフェインレス」と並ぶ新たな選択肢として、消費者に“カフェインチョイス”の自由を提供する。「その日の気分や体調に応じて自由にカフェイン量を選べる」という新しい価値観を提案し、成熟したコーヒー市場の活性化を目指す。健康志向の高まりや多様化するライフスタイルに対応することで、消費者の日常に寄り添うブランド価値を強化する考えだ。 50年以上にわたり、日本のコーヒー文化をリードしてきたネスレ日本が提案する新たな価値は、コーヒー市場に新風を吹き込み、生活者が「自分らしい飲み方」を気づくきっかけになる可能性がある。「カフェインハーフ」という新カテゴリーは、成熟した国内外の家庭用コーヒー市場における差別化の鍵となり、今後の市場動向を左右する重要な存在になるだろう。
食品産業新聞社
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