外は武装兵力、サーバー室には情報司令部要員…12・3緊迫した選管委=韓国
「12・3非常戒厳事態」を捜査中の警察国家捜査本部(国捜本)特別捜査団が中央選挙管理委員会(選管委)に戒厳軍と警察が配置された経緯を集中的に調べている。戒厳司令部が不正選挙疑惑の捜査を口実に国会より早い時間に兵力を投入したところであるだけに、警察は当日の状況の再構成に拍車を加えている。 国会と国防部・選管委によると、戒厳軍は非常戒厳宣言を終えてから2分後の3日午後10時31分、選管委果川(クァチョン)庁舎に到着した。同じ時刻、警察10人は庁舎の正門の出入りを統制した。選管委に進入した戒厳軍およそ10人のうち6人は直ちに2階の情報管理国統合管制センターに向かった。統合管制センター閉回路(CC)TVで確認された戒厳軍は▼事前投票名簿を管理する統合名簿システムサーバー▼セキュリティー装備が構築されたコンテナC列サーバー▼統合ストレージサーバーを相次いで撮影した。彼らは国防部直轄部隊の国軍情報司令部所属と把握された。 当時、陸軍大佐らで構成された情報司兵力は選管委の夜間当直者5人の外部連絡を遮断するため携帯電話を押収し、有線電話を遮断した。PCの使用を禁止し、出入りも統制した。午後11時に非常戒厳布告令が宣言された後、警察90人と戒厳軍110人が追加で投入され、国会で非常戒厳解除要求決議案が可決された後に撤収した。選管委の関係者は「サーバーを撮影した戒厳軍がサーバー装置に触れたり奪ったりした状況はないとみられる」と説明した。 各種選挙資料が保管された統合管制センターは、極右ユーチューバーや保守団体が不正選挙の証拠を探すことができると主張するところだ。これに先立ち金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官は「多くの国民が不正選挙疑惑を提起し、今後、捜査の可否を判断するため、選管委システムと施設の確保が必要と判断した」と明らかにした。国捜本はこの日、選管委からCCTV資料を受けた後、サーバーを撮影した情報司軍人の身元などを確認する方針だ。 水原(スウォン)選挙研修院と選管委ソウル冠岳(クァナク)庁舎に軍・警が投入された背景も究明対象だ。選挙研修院には3日午後11時30分に警察100人、4日午前12時50分に軍人130人が投入された。冠岳庁舎にも軍人47人が配置された。野党の一部では「戒厳軍が研修院を拘禁施設または捜査本部として活用しようとした」と疑っている。研修院は1人部屋17室、3人部屋80室規模の生活館があり、多数を収容できるところだ。選管委の関係者は「果川庁舎とは違い2カ所は軍・警の進入の動きがなかった」とし「研修院は電算資料がなく記録保存所だけあるが、軍・警がなぜ投入されたのか分からない」と話した。 また国捜本は選管委庁舎と研修院に投入された京畿(キョンギ)南部警察官の無線記録を確保して分析中だ。当時、果川警察署所属の初動対応チーム5人はK-1小銃を所持して警戒勤務をした。ムン・ジンヨン果川警察署長は「非常戒厳出動関連の規定がなく、要件が最も似ている対テロ状況に準じて装備をした」とし「装弾はせず、物理力も絶対に行使しないよう指示した」と話した。 当時、国軍防諜司令部の部隊員は命令を拒否して選管委に進入しなかったという主張もあった。この日、国会情報委員会所属の李奇憲(イ・ギホン)共に民主党議員が受けた情報提供によると、防諜司令部は3日、▼果川中央選管委▼中央選挙世論調査審議委員会▼選挙研修院▼放送人金於俊(キム・オジュン)氏が運営する「世論調査コッ」に25人ずつ派遣した。 しかし情報提供者は部隊員100人は現場に進入せず、付近のコンビニで飲食をしたり別の場所で待機したりしたと主張した。世論調査コッに向かうよう指示を受けたチームは潜水大橋付近をうろついた後、戒厳が解除された後に戻ったという。 国会国防委は10日、全体会議を開き、朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長、呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜司令官など今回の戒厳に関与した軍の主要人物を相手に選管委への兵力投入過程について質疑する予定だ。