学習障害は叱っても治らない! 特訓や見守りが逆効果になることも…親が子どものためにできる大事なこと
「どうして読めないんだろう?」「なんで書けないんだろう?」と、悩んでいる子はたくさんいます。学習障害(LD)とは、発達障害の一つです。読み書 【続き】学習障害の子どものサポートは特性に合ったものを きや算数といった、学習の特定の分野で困りごとが起こります。 LDの特性による困りごとは、アプローチのしかたで減らすことができます。勉強がうまくいかないのは、その方法が合っていないからです。つまり、自分自身に合った方法がわかれば、その子の学習・生活面の困りごとはずいぶんと減ります。イラスト図解で基礎からわかるLD入門書『学習障害(LD)がわかる本 気づいて、支えるために』より、連載形式で基礎知識や、困りごとに合わせた工夫を紹介します。 今回は、LDの子どものために家庭でできることについて解説。
子どもの困りごとに一緒に向き合う
学習障害(LD)のある子は、「どうして自分はみんなと同じようにできないの?」という強いストレスを抱えています。だからこそ親は一番の理解者として、その特性も含め、ありのまま子どもを受け入れましょう。そのうえでその子ができることや、よい部分を伸ばす手伝いをしていきます。 子どもが「みんなと同じように計算できない」とか「みんなと一緒に読めない」と話したときは、「計算は苦手かもしれないけれど、お絵描き上手だよ」というように、得意なこととセットで答えるなど、できることにも意識を向けるような声がけをしましょう。 ■特訓や見守りが逆効果になることも 「苦手を克服させたい」といった親ごころや「いつかはできるようになる」といった見守りが、かえって子どもの負担になることがあります。 ■特性について親子で向き合う LDによる特性や困りごとは、一人ひとり違います。その子がどんな特性があるのかを理解し、親子で一緒に対処法を考えていきましょう。 (1)できること、得意なことを見つける 苦手なことばかりを気にしていると、親も子もつらくなる。子どもが得意なことや好きなこと、夢中になっていることを見つけよう。その部分を伸ばすように心がける (2)苦手なことを把握する 適切な配慮をするために、「どんなことが苦手」で、「どんな困りごとがあるのか」を具体的に把握する。子ども本人だけでなく、担任の先生とも話をしよう (3)きょうだいや友だちと比較しない 一番つらい思いをしているのは本人。誰かと比較する言葉は使わず、その子自身のがんばりに目を向けよう (4)家庭内でのルールを決める 子どもの苦手を考慮して、困りごとを起こりにくくする工夫を家族全員で実践する (5)「やらなければならない」ことは少しでも楽にできる工夫を 申請書といった手書きが必要な場面があるなど、将来的なことを考えると苦手でも取り組まなくてはならないことはある。その場合、どうしたら楽に取り組めるのかを本人と一緒になって考えよう