オリバー・ベアマン、来季F1フル参戦決定。小松礼雄代表率いるハースのドライバーに「僕を信じてくれてありがとう」
イギリス出身の19歳オリバー・ベアマンが、来季ハースからF1フル参戦することが決まった。 【動画】レッドブル、イギリスGPで特別カラーリング実施。今度は”テスト用迷彩”にインスパイア フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)所属のドライバーとして今季FIA F2に参戦するベアマン。今年のサウジアラビアGPでは、虫垂炎を患ったカルロス・サインツJr.の代役としてフェラーリで突然のF1デビューを飾り、7位入賞を果たした。 またベアマンは昨年から今年にかけて、パワーユニット(PU)供給を受けるなどフェラーリと密接な関係にあるハースでF1フリー走行出走を繰り返し行なっており、長い間2025年はハースからF1フル参戦を果たすと言われてきた。 その噂通り、ベアマンは来季からハースでF1フル参戦することが決定。自身がF1ドライバーになったことを「信じられない」という。 「これが僕にとってどれほどの意味を持つのか、言葉にするのは難しいよ」 発表に際してベアマンはそう語った。 「子どもの頃に夢見たことを実現できる数少ない人たちの一員になれるなんて、本当に信じられないことだ」 「ジーン(ハース/チームオーナー)、アヤオ(小松礼雄/チーム代表)、そしてハースのみんな、僕を信じ、チームの顔として信頼してくれてありがとう」 そしてハース側は、ベアマンがF1フリー走行出走をこなし、F2でも勝利を収めていることから、F1で成功するために必要な素質を持っていると信じて疑わない。 ベアマンの起用について、小松代表は次のように語った。 「オリバー・ベアマンのような才能ある若手ドライバーに、F1で初めてのフルタイムシートを与えることができるのはエキサイティングなことです」 「彼はスクーデリア・フェラーリ・ドライバー・アカデミーの指導のもと、驚くほど成熟したドライバーに成長しました。そして彼がサウジアラビアGPへ出走するため、突然招集を受けた時に、世界中がそれを目の当たりにしました」 「オリバーはこのミッションへ挑む準備が十二分に整っていることを証明し、直近2シーズンのFP1セッションではハースのマシンを走らせたことで、我々自身もそれを実感しました」 「我々は彼をドライバーとしてさらに成長させ、マシン内外を問わず、彼の才能からチャンスを得られることを楽しみにしています」 「オリバーは素晴らしい男です。FP1に参加してくれるのは、チームとして非常に歓迎すべきことです。今は、その関係が長期的なモノになると分かっているので、全ての関係者にとってポジティブなことです」 ベアマンは今週末のイギリスGPの他、ハンガリーGP、メキシコシティGP、アブダビGPでもハースからFP1に出走する。 ベアマンの来歴を簡単に紹介すると、2021年にイタリアF4とADAC F4を制し、その年の終わりにFDAへ加入。2022年にはプレマからFIA F3に参戦しランキング3位となった。その翌年にF2へステップアップした。 F2では昨年4勝を挙げてランキング6位に入ったベアマンだったが、今年は所属するプレマ全体で苦戦。オーストリア戦スプリントでは今季初勝利を果たしたが、現在ランキング14番手と下位に沈んでいる。 なお、ベアマンの来季起用を発表したハースだが、もうひとりのドライバーはまだ確定していない。 ベアマンのチームメイトには、今季限りでアルピーヌを離れることが決まっているエステバン・オコンが起用されるとの噂だが、オコンはウイリアムズのドライバー候補にも挙げられている。 また、バルテリ・ボッタスにもハース起用の可能性がある。現在のドライバーであるケビン・マグヌッセンは、成績向上によってハースに契約延長を納得させられることを望んでいる。
Jonathan Noble