プレゼンで常勝する人は「結論の書き方」がうまい…説明下手でも資料で賛同を得られる"魔法のフレーズ"
文章で相手を納得させるためには何を書けばいいのか。リクルートのオンライン学習サービス「スタディサプリ」講師の柳生好之さんは「小論文のテクニックが活用できる。たとえば反対意見をもっている人に自分の『主張』を伝える際は、冒頭にあるフレーズを書けばいい」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、柳生好之『どんな試験にも対応可能な書き方が身につく 万能小論文』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。 ■小論文は問題に対して「意見」を述べる文章 そもそも小論文とは何なのでしょうか。それは、問題に対して「意見」を述べる文章です。 このように言うと、「『意見』を述べるだけだったら、小論文は簡単なのではないか」と思う人がいるかもしれません。しかし、「『意見』を述べる」のは、じつはなかなか難しいことなのです。 ---------- 〈問題〉 次の文章を読んで、あとの問に答えよ。 私は、文章を書くのがあまり好きではない。小学生のころから、読書感想文などは3行くらいしか書けなかった。 問 この文章は小論文だと言えるか。(オリジナル問題) a 小論文だと言える。 b 小論文だとは言えない。 答 b ---------- どうしてこの文章が「小論文だとは言えない」のでしょうか。それは、「意見」を述べていないからです。 自分の個人的な「体験」だけに基づいた「好き」や「きらい」は、「意見」ではありません。これはただ趣味を述べているだけであり、せいぜい個人的な感想にすぎません。 「意見」というのは、「根拠(理由)」に基づいて述べられるものです。「感想」と「意見」との違いをおさえておきましょう。 たとえば、次のような文章なら小論文だと言えます。 ---------- (意見)学生のうちに小論文を勉強すべきだ。 (根拠)なぜなら、小論文で学ぶことは、社会に出てから役に立つからだ。小論文とは意見を述べる文章である。 (くわしい説明)社会に出れば、意見を求められることがある。 ---------- この文章は、「小論文で学ぶことは、社会に出てから役に立つ」という「根拠」に基づいて「学生のうちに小論文を勉強すべきだ」という「意見」を述べています。 また、「根拠」を補強するためにくわしい説明を加え、説得性をもたせています。これが「万能小論文」の盤石な構成です。