ウクライナ戦争で人員不足…ミャンマー人がロシアへ出稼ぎ? 軍事政権、労働者派遣計画
【バンコク稲田二郎】ミャンマー軍事政権は、ウクライナ戦争に伴い、働き手が不足しているロシア国内へ労働者を派遣することを計画している。ロシア側が昨年、ミャンマーに派遣を要望していたという。 ミャンマー国営紙などが報じた。それによると、ロシアでは製造業や建設業、農業、畜産業などで外国人労働者を雇い入れる計画があり、既にロシア語の教育コースを設けている。これまでミャンマー人の主な出稼ぎ先はタイと日本で、ロシアの例はほとんどなかった。労働者に渡航費の負担などはない見込みだ。 労働者の派遣機関は「ロシアが戦争中でも、ロシア全土で戦争が起きているわけではない。労働者は紛争のない地域に行く」「タイもイスラエルに労働者を派遣している」などと説明。ミャンマーの最低月給は約40米ドル(約6千円)で、ロシアだとその5倍になるとPRしている。 ミャンマーでは内戦のために今年から徴兵制が導入され、該当年齢になると海外渡航も制限されている。多くの若者ができるだけ母国から離れたいと必死で、ロシアへの出稼ぎもいとわないとみられている。 ロシアは、2021年のクーデターで全権を掌握したミャンマー軍政を支援しており、武器などを輸出している。ロシア経済は経済制裁でダメージを受けている上、ウクライナ戦争に多くの市民が参加するにつれて、熟練労働者の需要が高まっているという。