「ザク・ブラウンって誰?笑」フェルスタッペン、マクラーレンCEOのF1取り締まり強化提案にどこ吹く風
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、そのアグレッシブなドライビングスタイルが度々批判の的となっており、マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、取り締まりを厳格化するために常設スチュワード制の導入を提案した。 【動画】ブラッド・ピット主演のF1映画、2025年の公開を前にティザー映像が先行配信 ただ、当のフェルスタッペンは知らぬ顔で、その提案を一蹴した。 先日のオーストリアGPでフェルスタッペンは、マクラーレンのランド・ノリスと優勝を争った末に接触。レース直後はヒートアップしていたふたりだったが、1週間後のイギリスGPの頃にはそのわだかまりも解消し、フェルスタッペンもふたりの友情に変わりはないと説明した。 しかしマクラーレンのマネジメント陣は腹の虫が収まらず。アンドレア・ステラ代表がフェルスタッペンのアグレッシブさは2021年にルイス・ハミルトンと戦っていた際に適切に罰せられなかったことが影響していると批判したのに続いて、ブラウンCEOはレッドブルがフェルスタッペンのアグレッシブさを“助長”していると語った。 「レッドブルのような偉大なチームなのに、リーダーがそれを助長しているようなモノだ。無線で何を言っていたか分かるからね」とブラウンCEOは言う。 「ピットウォール側では、レースで何が起きているのか、何をすべきなのかをドライバーに伝える責任がある。レギュレーションを尊重する必要があると思う」 「ファイナンシャルレギュレーションやスポーティングレギュレーション、そしてコース上のことや彼の“父親”との問題のこと、そういったことに関してリスペクトが欠けている。それがレースに必要なことだとは思わない」 これに対してレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコはブラウンCEOに対して、自分たちのドライバーを手本にすべきだと切り替えした。 「私は父親たちと全く問題ないし、ノリスが素晴らしいバトルの最中にベビーシッターのように文句を言っていたのは特にがっかりした」とマルコは言う。 「彼はとても上手く言葉を撤回したが、おそらくザクは腹立たしく思っているのだろう。彼は自分のチーム内で一線を引いて、ドライバーたちにバトルをさせるべきだ」 ■フェルスタッペン「ザク・ブラウンって誰?」 フェルスタッペンはマルコの意見に同意し、火に油を注ぐブラウンCEOの発言に対して多くを語るのは無駄だとして「僕にとって何の役にも立たない」と言った。 そしてオランダ人メディアセッションの最後に、motorsport.comがブラウンCEOの常設スチュワードの必要性に関する提案について尋ねると、フェルスタッペンは笑ってこう答えた。 「ザク・ブラウンって誰?」 フェルスタッペンの主な意見は、現在のF1がレギュレーションでがんじがらめになっているというモノ。ブラウンCEOが打ち出した、FIA常設スチュワードによるレーシングルール強化という意見にも同意しなかった。 「既にF1では、あらゆる種類のルールが多すぎると思う。僕の考えでは、こういうのは状況を複雑にするだけだ。10~15年前のルールブックを見てから、今どうなっているかを見て欲しい……どんどん分厚くなっている。だけど、それも僕らが生きている世界の一部なのかもね」 そして最後にフェルスタッペンは、イギリスGPでのドライバーブリーフィングでは、オーストリアでの一件があまり触れられなかったと明かした。 「いや、本当に現状だけのことだった。サーキットやトラックリミット違反など、今後に向けて改善できるかもしれないことについてだよ。それ以上のことは話さなかった」
Ronald Vording