【腰痛を元から治す簡単セルフケア】40代~50代の女性に多い「腰痛の5つのタイプ」って? おもな症状、原因と対策まで専門医が解説!
《タイプ2》 女性より男性に多い腰椎椎間板ヘルニアが原因の腰痛 ●おもな症状は? ・腰やお尻の痛みのほか、下肢のしびれや痛みがあることが多い。 ・神経の圧迫が強いと、脚の力が入りにくくなったり、筋力が低下することがある。 ・突出した椎間板が大きい場合、排尿や排便のトラブルが起こることも。 ・腰を後ろに反らすより、前に曲げるほうがつらいことが多い。 ●原因と特徴は? 「腰椎椎間板ヘルニアは、上記で示したような症状が起きます。腰椎と腰椎の間にある椎間板という柔らかい組織が変性して突出し、腰椎の中を走る神経を圧迫することで発症します。加齢のほか、腰に負担がかかる姿勢での長時間の作業や、重い物の持ち運びなど、腰椎に過度な負荷がかかることで起こります。また、喫煙で発症率が上がるほか、遺伝的要因もあるといわれています」 ●どんな人に多い? 「20代~40代に多く、女性よりも男性のほうが2~3倍起きやすいといわれています」 ●対策は? 「鎮痛剤などの服用や、神経ブロック注射のほか、コルセット装着や理学療法などで自然に回復していくことが多いです。改善しない場合は手術も選択肢になります。痛みが強くない場合には、エクササイズを取り入れることで改善しやすくなります」 《タイプ3》 スポーツや悪い姿勢などで起きやすい筋・筋膜性の腰痛 ●おもな症状は? ・腰の痛みはあるけれど、下肢の痛みやしびれは伴わない。 ・腰まわりを強く押したり、運動をしたりすると痛みが出る。 ・腰を前に曲げるよりも、後ろに反らしたり、体をねじったりする動きで痛みが出やすい。 ●原因と特徴は? 「筋・筋膜性の腰痛とは、腰の筋肉や筋膜が、慢性的あるいは急激な負荷によって損傷し、炎症が起きて痛みが出るものです。脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアと違い、MRIやレントゲン検査で異常が見られないことが多いので、病院で“問題ない”と言われてしまうことも多いです。 腰の肉離れともいえ、押すと皮膚のすぐ下の部分に痛みがある、背中が突っ張るなど、筋肉や筋膜に起因する痛みと思われる場合にこのタイプと診断されます」 ●どんな人に多い? 「スポーツをしている人や悪い姿勢などで筋肉や筋膜に過度に負荷がかかっている人に起こることが多いです」 ●対策は? 「治療は、痛み止めの投薬、ブロック注射、超音波で画像を確認しながら筋膜に薬液を注射し、筋膜の癒着をはがすハイドロリリースを行うことも。 また、リハビリでは、過剰に突っ張っている筋肉の緊張を緩和し、逆に働きが弱い筋肉を強化します。痛みが軽度なら、自分でエクササイズをすることでも改善しやすくなります」 《タイプ4》 不安定な姿勢によって起きる仙腸関節障害が原因の腰痛 ●おもな症状は? ・仙腸関節(背骨の下部にある仙骨が、骨盤の左右の腸骨と組み合わさってできている関節)のあたりを押すと痛みがある。 ・片方のお尻、あるいはそけい部に痛みがある。 ・下肢に痛みやしびれがある場合もある。 ・あお向けで寝ることができない。 ・痛いほうを下にして寝ることができない。 ・椅子に座っているのがつらい。痛いほうのお尻を浮かせて座っている。 ・足をついて体重をかけると痛む。 ●原因と特徴は? 「仙腸関節障害は、仙腸関節が不安定になって関節にずれが生じたり、仙腸関節部にある靭帯が伸びすぎることで、体重の衝撃吸収がうまくいかず関節に炎症が起き、痛みが発生します。 中腰や腰のひねりなどの不安定な姿勢を続けることで起きやすいです」 ●どんな人に多い? 「齢層は若者から高齢者まで幅広く、男性より女性に多く見られます」 ●対策は? 「治療は、安静、痛み止めの投薬、骨盤ベルトの装着、神経ブロック注射などがあります。リハビリで骨盤の位置を修正し、それを保てるように骨盤まわりの筋肉の強化、股関節や背中のストレッチなども行うと改善しやすくなります」