【腰痛を元から治す簡単セルフケア】40代~50代の女性に多い「腰痛の5つのタイプ」って? おもな症状、原因と対策まで専門医が解説!
《タイプ5》 椎間関節に何らかのストレスがかかって起こる椎間関節障害が原因の腰痛 ●おもな症状は? ・腰を後ろに反らしたり、ひねったりする動きで痛みが起きやすい。 ・右か左、どちらか決まった側の腰に痛みを感じることが多い。 ・お尻が痛むこともある。 ・同じ姿勢を続けていると痛み、姿勢を変えたり、動いていると痛みが軽減する。 ●原因と特徴は? 「腰椎の上下の骨は椎間板と左右の椎間関節と呼ばれる関節によって連結されています。椎間関節性の腰痛は、この椎間関節に過度な圧力がかかって変性が生じたり、炎症が起きたりすることで生じます。前述の筋・筋膜性の腰痛と区別がつきにくかったり、両方が合併していることもあります」 ●どんな人に多い? 「加齢や、腰を過度に大きく動かしたり、繰り返し動かすことなどで徐々に起きることが多いです」 ●対策は? 「治療は痛み止めの投薬や、コルセット着用、理学療法などを行います。 同じ姿勢や、無理な姿勢を長時間とらないようにし、運動不足や肥満を解消することが予防・改善につながります。痛みが強くない場合には、エクササイズを取り入れて積極的に体を動かしましょう」
ぎっくり腰は、どのタイプの腰痛?
そのほか、ぎっくり腰も腰痛だが、これはどのタイプなのだろうか? 「ぎっくり腰は、急激に起こる腰痛のことで、正式な病名は急性腰痛症といいます。 原因はさまざまですが、タイプ3の筋・筋膜性の腰痛や、タイプ4の仙腸関節障害、タイプ5の椎間関節障害などが原因で起こることが多く、中にはタイプ1の腰部脊柱管狭窄症や、タイプ2の腰椎椎間板ヘルニアが悪化して起こるケースもあります。 1~2日安静しても改善しない場合は、受診をおすすめします。痛みが落ち着いてきたら運動を取り入れるほうが早く改善します」 【教えてくれたのは】 吉原 潔さん 脊椎外科専門医・スポーツドクター・フィットネストレーナー。医学博士。アレックス脊椎クリニック院長。日本医科大学卒業後、同大学整形外科入局。帝京大学医学部附属溝口病院整形外科講師、三軒茶屋第一病院整形外科部長を経て、2017年より現職。日本整形外科学会専門医、日整会内視鏡下手術・技術認定医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)公認パーソナルフィットネストレーナー、食生活アドバイザー。運動療法や筋力トレーニングにも精通した医師として、多角的な診療に定評がある。トレーナーとしての信条は「ケガをしないトレーニング方法を指導すること」。50歳を過ぎてから筋トレでメタボ体型を脱し、ベストボディコンテストに出場、受賞歴多数。著書に『ドクターズスクワット』(アスコム)など。 撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/佐々木 篤 モデル/SOGYON イラスト/内藤しなこ 取材・原文/和田美穂