四輪駆動による革命! アウディUrクワトロ UK版中古車ガイド(1) 売れるほど赤字が増えた?
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「子供の頃、アウディ・クワトロは憧れのクルマでした」。と話すのは、今回の車両を持ち込んでいただいたチャールズ・ポーター氏だ。 「1988年のモーターショーで、ブラックのクワトロの運転席に座らせてもらいました。ターンテーブルの上には、ホワイトのクワトロが載っていました。その25年後に自分が所有できるとは、想像もしていませんでした」 「これは12年前に購入したんですが、ターンテーブルに乗っていたクルマ、そのものだったんです。長い時間をかけてクワトロを探してはいたんですが、これは偶然です。アウディUKへ電話して調べてもらったら、モーターショーの車両だとわかったんです」 「エアコンが付いていて、マフラーはオリジナルのまま。唯一、ステアリングホイールは後期の20バルブ・エンジンのものが付いています」 「以前のオーナーも大切にされていて、状態はかなり良かったです。わたしが購入後は、レザーを張り替え、ガラスを外して全塗装しています。自分にとっては、重要なコレクションの1台ですね」
英国で掘り出し物を発見
■アウディUrクワトロ 20V(英国仕様) 登録:1989年式 走行:29万4500km 価格:5万6950ポンド(約1110万円) 速く走れ実用性に優れるため、Urクワトロは全般的に走行距離が伸びがち。この1台も例外ではない。英国仕様の右ハンドル車で、5オーナーの過去を持つが、状態は非常に良いようだ。 ハーフレザーのシートは破れがなく、長い走行距離を感じさせない。エンジンルーム内は少しやれているが、ロナール・アルミホイールは美しい。マフラーは社外品。整備済みで、1年間の保証が付くという。 ■アウディUrクワトロ 10V(欧州仕様) 登録:1980年式 走行:17万6900km 価格:12万3500ポンド(約2408万円) オランダ人が最初のオーナーだった、前期のUrクワトロ。400台作られた、ケーブルデフ・ロックが装備された仕様になる。2010年にボディを地金まで戻したレストアを受けており、作業記録が膨大に残っている。 シルバーの塗装は、今でもツヤツヤ。インテリアはツートーンのクロス。ボンネットを開くと、シミ1つないエンジンが顕になる。かなりお高いが、状態は間違いないだろう。 この続きは、アウディUrクワトロ UK版中古車ガイド(2)にて。
マルコム・マッケイ(執筆) ジェームズ・マン(撮影) 中嶋健治(翻訳)