【RIZIN】サトシ「これはリベンジではない。ただ悲しかった」×K太郎「(サトシの徹底した打撃戦は)想定していなかった。でも自分もそこで戦うつもりだったから…」
2024年3月23日(土)兵庫・神戸ワールド記念ホールで開催された『RIZIN LANDMARK 9』第12試合・ライト級(71.0kg)で、ウェルター級から10年ぶりにライト級に落としてきた中村K太郎(UNITED GYM TOKYO)が、現ライト級王者のホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)とノンタイトルで対戦。 【写真】妻ユリさんにあらためて指輪を贈ったサトシ、子供のために後回ししていたという MMA36勝中17の一本勝ちを誇るが、近年は打撃でのKO・TKOも多いK太郎は、2019年10月のRIZINでウェルター級でサトシの兄・マルコス・ヨシオ・ソウザに1R TKO勝ち。試合前に「サトシを打撃でちんちんにして、最後はバックチョークで極めたいと思います」と語っていた。 試合は、その打撃戦をサトシから仕掛ける展開に。 サウスポー構えのK太郎に対し、サトシはオーソドックス構え。K太郎の左前蹴りをかわしたサトシは、喧嘩四つで前手を触ってから、序盤に強い右ハイを振っている。ガードしながらもその威力にK太郎がのけぞる形に。 さらに右ローを当てたサトシ。詰めるK太郎の左ストレートにワンツーを返すと、右ミドルをガード上ながら鈍い音を立ててヒット。 ワンツーでK太郎を下がらせると、右インローでK太郎の右足を流させ、続く頭を下げたワンツーはかわされたものの、圧力をかけるサトシは、右手を伸ばしてからの右ハイ! そのとき、K太郎はローを払う右手を下に、左手はそのハイの軌道に頭に持って行こうとするが、間に合わず被弾しダウン。 右足にしがみつくK太郎をサトシはパウンド、鉄槌。潜ろうとするK太郎をヒジで剥がして立ち上がるとサッカーキック、さらに立ち上がった中村を冷静に詰めて右を上下からさらに左右連打でレフェリーを呼び込んだ。 左を武器とするK太郎の腕を潰しに行ったサトシの右の蹴り。それは上下に散らされており、フィニュシュに至る右ハイの前の、ロー、ミドルを受けていたK太郎は思わずガードを下に持っていっている。 さらにサトシはオーソから右をK太郎の目前に伸ばしておいての右ハイでK太郎のガードの上を蹴っている。 試合後のインタビューで、サトシはフィニュシュに繋がったハイキックを「いつもBELLWOOD GYMの怪物君(鈴木博昭)とよく練習して、彼もサウスポーだから、彼と内藤大樹が言うのは、『あなたはキックを使って、あなたのキックは痛いから、自分のキックをもっと信じて』と。それからよく自分で練習しました。この右ストレートとハイキックが今回の本当に一番のプラン」と明かしたている。 一方、打撃で返り討ちにされた中村は、サトシのスタンド勝負を「まったく想定していなかった」と振り返った。 「蹴りが見え辛かった、速かった、コンパクトだったり。パンチはある程度見えていたから、パンチで戦えば良かった。逆に組みの展開を自分から作っていくという、そこは一個も考えていなかったけど、もうちょっと(組みを)混ぜることもできたら、もう少し展開も違ったかもしれない」と悔しさをあらわにしている。試合後の両者の一問一答は以下の通り。 ◆サトシ「怪物君と内藤大樹から『あなたのキックは痛いから、自分のキックをもっと信じて』と言われて練習していた」 ──試合後の率直な感想を。 「ああ、もう本当に嬉しい! 本当に良かった! 一生懸命、今回打撃練習したのと、(会場に)初めて兄弟がいて、子供がいるから、いい感じで1R KOで勝てて本当に嬉しいです」 ──フィニッシュにつながった右ハイキックは狙って練習していましたか? 「そう、もちろん。私いつもBELLWOOD GYMの怪物君(鈴木博昭)とよく練習して、彼もサウスポーだから、彼と内藤大樹が言うのは、『あなたはキックを使って、あなたのキックは痛いから、自分のキックをもっと信じて』と。それからよく自分で練習しました。この右ストレートとハイキックが本当に一番のプランですね、今回」 ──K太郎選手と実際に戦ってパワーなどはどうでしたか? 「組んでいないからちょっと力はよく分からないね。でも彼の試合よく勉強して、彼がウェルター級からライト級に来て、私知っているのは、力はあると思ったけど、ライト級とウェルー級はスピードがちょっと違う。だから今回は打撃で戦いたいと。でも本当に試合中の彼の印象はちょっと分からない。パンチすぐ当たって彼ディフェンスしてパウンドしたから(笑)、分からないね」 ──指輪を奥様に渡したのは、結婚していたけどそういうことをしてこなかったからなのでしょうか? 「そうですね、みんな分からないですよね。7年前くらいに私たちは結婚したけど、紙(婚姻届)だけで、上の子どもが産まれたばかりでパーティーも友達と集まったりもできない。その後は一緒に暮らしていくなかで『子どもの将来のためにこのお金は積み立てよう』とか、『今度は車を買おう』『家を買う』となって、こういうイベントごとは、指輪もパーティーもやってない。だから奥さんを7年待たせてしまっているから、今日スペシャルな日にみんなの前でやりたいって」 ──結婚してなかったの? という声もあがりました。 「そんなことない!(笑)結婚はしたけど、紙だけで、パーティーとか、指輪をやったことない」 ──では今日指輪を渡して、パーティーもやるのですか? 「そうそう、もちろんみんな友達と生徒たちと集まりたい。いい日に、奥さんと一緒にやりたい」 ──堀口選手のプロポーズを見てやりたいと? 「そうですよね!? 7年くらい待ってるからいいの日にやりたい、みんなの前でやりたいから。下の子供が1週間前くらいに1歳になったから、そのタイミングであげたいけど、『もっと待ってるほうがいいな。多分RIZINでやったらもっと面白いな、みんな喜ぶから』と、今日まで待ってました」 ──今日勝てなかったらやっていなかったということですよね? 「そうですね、それはやらないな! もう(笑)。(負けていたら)ちょっと悲しい日だから今日はよくないな(となった)。だから本当にいいの日か嬉しいの日にあげたい。今日勝たなかったらあげていないです(笑)」 ──指輪をあげるためにも負けたくなかったですか。 「そうそう、もちろん。だから今日負けたくなかったです」 ──マルキーニョスさんは喜んでくれましたか? 「(涙ぐんで)彼(中村選手)は、それ(「マルキーニョスは俺に負けている」)よく言うけど、彼が自分の悪いこと言うのは気にしない。でもお兄ちゃんのこと言うから、私ちょっと嫌だなと思って。お兄ちゃんの気持ちも分かるから。私が言いたいのは、これはリベンジではない、それは関係ない。でも、もちろん好きじゃない。お兄ちゃんは私をいつも守ってくれて、RIZINの試合をやる時、お兄ちゃんがサポートしてくれてるから、だから本当に今日は負けたくないし、この勝利はお兄ちゃんにあげたい。普段あまり言わないけど、お兄ちゃん、ほんとうに愛してる。ベルトとか、いろいろな大会で優勝してメダルをもらったのは本当にお兄ちゃんのおかげだから、彼がお兄ちゃんの悪いこと言うのは、怒ってるんじゃなくて本当に悲しい。お兄ちゃんは本当にいい人だからちょっと悲しいですね」 ──次はどんな選手と戦いたいですか? またどんなことをしたいですか。 「さっきの話と一緒ね、タイトルディフェンスしたいから、誰でもいいよ! 私いつも相手選んでないから。いつもRIZINが言うから『はい』だけ。榊原社長が『中村K太郎、大丈夫?』と言うからびっくりしたけど、いつも選んでない。誰でも、RIZINのファンたちが言う相手ともやります。RIZINライト級王者だから、王者になる時は相手選んできていないし、(王者になってからの)今ももちろん誰でもいいから。問題ない」 ──「防衛戦をやりたい」ということでした。RIZINに挑戦するのに相応しいチャレンジャーが日本になかなかいないなかで、Bellatorとの試合で、AJマッキー、パトリッキー・ピットブルに負けていることも踏まえて、Bellatorの選手をチャレンジャーに迎えるというのはいかがですか? 「私は誰でもいい。王者になるなかで、相手を選ばなかったし、今からも絶対相手選んでない。誰でもいいよ、問題ない。BellatorでもRIZINでもどっちでもいい。RIZINが決めること、ファンたちが決めることだから私絶対やる」 ──7月28日の『超RIZIN.3』というのはいかがですか? 「そうね、ああもう、問題ないな。できるかな? 絶対できる! できる(笑)」 ──打撃でKO勝ちしましたが、打撃を使ってから上手くいかないときのプランBも用意していたのでしょうか。 「もちろん、いつも、A、Bくらいあります。もちろん得意な打撃を練習して、でもできなかったら一番強いポイントはグラウンドだね。もちろん投げとかが、続くとか、ガードでも、いつも極めとグラウンドにはバリエーションあります。もちろん今回打撃使いたいけど色々な練習しましたから」 ──誰の挑戦でも受けるというお話でしたが、RIZINとPFL、Bellatorの関係で、向こうの大会で戦うチャンスがヨーロッパやアメリカにあったら戦ってみたいですか? 「もちろん。私のRIZINの選手だから、社長の言うところにどこでも行きます。RIZIN守りたいから、誰でもどこでも問題ないです」
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