ラリー伝説の再解釈「プロドライブP25」プロドライブがレストモッドした9000万円のスバル インプレッサ WRカー
EJ25ブロックをベースに専用開発されたエンジン
そして「P25」の他の部分は完全に再開発された。エンジンは、従来の2.2リッターエンジンではなく、排気量2.5リッターの「EJ25」をベースブロックとしている。プロドライブは、かつての「WRC」時代と同じように細心の注意を払って「P25」のエンジン開発に取り組んだ。その結果、鍛造ピストン、専用設計のマニホールド、新型カムシャフト、専用バルブスプリングなどが採用されている。
「プロドライブ P25」には、専門メーカーであるアクラポヴィッチのバイパスシステムを備えたモータースポーツ用エキゾーストシステムがあり、インコネルやチタンなどの素材が使われている。サスペンションは全て変更、作り直された。ビルシュタイン製サスペンションはアダプティブで、スプリングとスタビライザーは必要に応じて交換できる。ブレーキシステムはAPレーシング製で、フロントは6ピストンキャリパーが380mmのディスクに食い込み、リアは4ピストンシステムで350mmが回転する。
ブレーキのプレッシャーポイントは普通のクルマとは違う
しかし、そのプレッシャーポイントは、後に知ることになるのだが、レーシングドライバーでないドライバーにとっては、異常にモータースポーツ的なのだ。ボディはもちろん「WRC97」にインスパイアされたものだが、ほぼすべての部分で現代的な解釈がなされており、カーボンファイバー製だ。また、最新のヘッドライト技術も採用され、リアにはランニングインジケーターも装備されている。オプションで、ルーフ、ミラー、エアベント、スプリッター、ウィングパネルをカーボンファイバー仕上げにすることもできるようになっていた。
ボディカラーは顧客が自由に選ぶことができたが、ほとんどの人が「WRCブルー」によく似たダークブルーを選んでいる。しかし、ファクトリーでは、アストンマーティンのGTレーシングカーの色を彷彿とさせるグリーンの「P25」も発見した。これもいい組み合わせだった。
コールドスタート時のサウンドは鳥肌もの
話はこれくらいにして、「P25」に乗り込もう。エンジンをかけようと思ったら、まず小さなレバーのロックを解除し、クラッチを切り、最後にスタートボタンを押す。コールドスタート時のサウンドには、正直、鳥肌が立った。ロッカースイッチがあるにもかかわらず、従来の方法でクラッチをつなぐのだ。そうして初めて、絵に描いたような金属ドラムの音とともに走り出すことができるのだ。
結論
今回の特別モデルはもちろんプロドライブの手柄だが、マニアのために心血を注いでこのようなドライビングマシンを製造しているすべての小さなメーカーに密かに感謝したい。これは純粋なモータースポーツモデルであり、あらゆるレベルでの感動をもたらしてくれた。
Alexander Bernt