ユダヤ教指導者、UAEで遺体で発見 イスラエル「反ユダヤのテロ」
イスラエルの首相府は24日、アラブ首長国連邦(UAE)で行方不明になっていたユダヤ教のラビ(宗教指導者)の遺体が同国内で発見されたと発表した。首相府は声明で「反ユダヤ主義テロリズムの憎むべき行為」と非難した。 【写真】「聖書で人質帰らない」ユダヤ教超正統派にも徴兵 揺れるイスラエル 首相府の発表やAP通信によると、遺体で見つかったのはイスラエル系モルドバ人のラビの男性(28)で、UAEのドバイで食料品店を経営。21日から行方不明になっていたという。首相府は男性がイスラエルとモルドバの二重国籍だったとし、「イスラエルはあらゆる手段を用いて、犯罪者を法の及ぶ最大限の範囲において処罰する」とした。 容疑者などは不明だが、APは、イスラエル当局からイランが犯行に関与したとの言及はないとしたうえで、イランがUAEで諜報(ちょうほう)活動を行い、過去に誘拐事件を起こしたことがあると報じた。 パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘などをめぐり、UAEなどアラブ諸国の国民の間では、イスラエルへの反感が高まっている。イスラエル首相府は事件に先立ち、国民にUAEへの不要な渡航を避けるよう勧告していた。(エルサレム=森岡みづほ)
朝日新聞社