大規模災害への対応力強化 福知山市が検討会を立ち上げ
元日に発生した能登半島地震などを受け、京都府福知山市は4日、市大規模災害対応力強化検討会を立ち上げ、東羽合の市防災センターで第1回会合を開いた。阪神淡路大震災、東日本大震災などの取り組み事例、職員派遣で得た知見をもとに、福知山での大規模災害発災から復旧、復興までの時期に合わせた対応を検討していく。 近年、全国で大地震が発生しており、南海トラフ地震の発生の可能性も高まっている。検討会では、市の地域防災計画や業務継続計画の実行性を高める指針と、応援の受け入れ態勢をまとめた受援計画を作成し、避難所の環境改善などを進めることを目的にしている。 京都大学防災研究所、自治会長会代表、市社会福祉協議会、ライフライン企業、国、府など関係15団体と市の関係部署の計29人で組織している。会合は来年度末までに5回開き、「市大規模災害対応力強化指針」を策定する予定だが、すぐに対応できる改善策などは、指針の完成を待たずに取り組みを進める。 会合では大橋一夫市長が「大規模災害時の市の課題、対策の方向性などに意見をいただき、具体的な改善につなげていきたい。市の対応力強化へお力添えをお願いします」とあいさつ。座長に京大防災研究所の牧紀男教授が就いた。 指針策定に向けて市は、予防編、発災直後・応急対応編、復旧編、復興編に分けて現状で認識している課題を説明。防災教育やインフラの耐震化▽災害対応体制の確保▽市町村を越えた広域避難対策▽インフラの復旧対応▽復興計画の策定手順の検討などをあげた。 委員たちからは「業者間では、大地震時には全国から応援が集まるが、前線基地のような活動スペース、受け入れ場所などの確保が課題になっている」「防災意識の高い人が増える取り組みが必要」「たくさんの災害廃棄物に対する検討もいるのではないか」「避難所の通信の確保が大切」といった意見が出た。 今後、項目ごとに具体策などを検討するほか、避難所の環境改善といった項目では、小委員会を設置して専門的な議論を深めていく。 座長の牧教授は「福知山の特性を踏まえて課題を整理し、福知山が災害に立ち向かっていけるようにしていきたい」と話した。