”スーパーGT観てよかった”と思われるレースを……そう語る野尻智紀。しかし勝利に向けた本音を吐露「何事もなくここままいきたい」
スーパーGT第4戦富士350kmレースでGT500クラスのポールポジションを獲得したのは、野尻智紀&松下信治組の#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTだった。Q2のアタックを担当し、8号車ARTAをグリッドの先頭に導いた野尻は、「スーパーGTを見て良かったと思ってもらえるようなレースをしたい」と語る一方で「何事もないつまらないレースをしたいという気持ちもある」と、複雑な心境を吐露した。 【リザルト】スーパーGT第4戦富士予選結果 8号車ARTAは、予選Q1を松下が担当して1分28秒224を記録。首位#100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTから0.198秒差の3番手で通過した。予選Q2を担当した野尻は、1分28秒135と松下のQ1タイムを上回るペースを記録し、Q1とQ2の合計タイムで8号車ARTAが首位。2番手となった100号車STANLEYに0.318秒という圧倒的な差をつけてポールポジションを獲得した。 「松下選手とコンビになって初めてのポールポジションなので、嬉しいですね」 予選後の公式記者会見で、野尻はそう語った。 「CIVICの初ポールポジションは他車(#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT/第2戦富士)に譲ってしまいましたが、初優勝は僕らが達成したいという気持ちは常々持ってるので、それを叶えられるようにしたいです」 「今オリンピックもやっていますが……普段の生活のストレスの捌け口ということじゃなくて、応援して良かった、スーパーGTを見て良かったと思っていただけるような、そんなレースを展開したいと思っています」 そう語る野尻だが、心の底ではまた別の気持ちも抱えているようだ。 「スーパーGTを見てよかったなと思ってもらえるようなレースをしたいですが……それとは裏腹に、何事もないつまらないレースをしたいなという気持ちもあります。複雑なところもあるんですが……本音としては何事もなく、このままフィニッシュしたいなと思っています」 野尻がそう語る理由のひとつが、明日の決勝レースでは雨が降る可能性もあるということだ。チームメイトの松下は、決勝に向けて次のように語った。ちなみに松下としては、今回がスーパーGTで初のポールポジション獲得である。 「明日の午後は天候が怪しいらしいので……そういう部分の展開がどうなるのかは予想できないです。でも、一番前からのスタートなので、何事もないレースをしたいですね」 「トラブルは絶対にダメですが、ここ数戦トラブルが出ているので、チーム全体はもちろんですが、ドライバーとしても細心の注意を払って乗りたいです」 「ペースはあると思っています。ここは落とせない、重要なレースだということも分かっているので、そういう堅いレースをしたいです」
田中健一, 戎井健一郎