2000試合出場の史上最強の遊撃手・坂本勇人。巨人の日本一奪回が実現しなければ『画竜点睛を欠く』【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
ルーキー時代の快進撃がなければ俺は廣岡達朗さんの後釜だったかも
史上最強遊撃手の坂本は最後に巨人を日本一へと導かなければならない
日本プロ野球史上最強のショートストップと言えば、巨人・坂本勇人であることは間違いないだろう。 もちろん、賛否両論あることは俺も十分承知している。でも、5月31日にZOZOマリンスタジアムで行われたロッテとの交流戦で、坂本はショートとしてはプロ野球史上初の通算2000試合出場を記録した。 ただ単に2000試合の「大台」へ到達したわけではない。この試合で坂本は5回に今季7号となるソロ本塁打を放った。この一打によって、勢いづいた巨人は7対4でシーソーゲームを制した。 まさに「打てるショート」の面目躍如だった。この日の本塁打は、坂本にとって通算2243安打だったから、「ショートは打てなくても守ることができればよい」というプロ野球の常識を見事に覆してくれたわけだよ。 俺が入団した1966年の巨人のショートは、伝説の名手・廣岡達朗さんだった。ドラフト1位で入団した俺は、いきなり初登板初先発初勝利と13連勝を含む16勝をマークして、防御率1.39で最優秀防御率、最優秀新人、沢村賞のタイトルを獲得した。 俺が入団した年の夏場に廣岡さんは腰を痛めて出場選手登録を抹消された。そして、その年限りで廣岡さんは現役を引退している。 俺は、「もしピッチャーとしてダメなら、廣岡の後釜としてショートへコンバートする!」と球団から言われて入団した。でも、入団時からピッチャーとしていきなり華々しい大活躍を披露したものだから、「堀内にショートをやらせろ!」と言う声は聞こえてこなくなった。 そんな経緯があったから、俺はショートに関して、いつも当事者意識を持って眺めていた。 話を本題へ戻したい。いまの時代のように・・・
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週刊ベースボール