「何であの子ばかり…」苦しい嫉妬心への対処法を臨床心理士が解説
嫉妬が強くなる原因になるものは?
(1)自分の中にある感情を見ないようにしている 人が嫉妬を感じている時、内側では焦りや不安などのネガティブな感情が起こっています。そういったネガティブな感情に対して向き合うことを避けると、その感情を他者に向け、否定・嫉妬するといった形で現れます。これを心理学では【投影】と言います。自分の中のネガティブな感情を相手に投影することで、ネガティブな感情と向き合わなくてもよくなるので、一時的には安心できますが、今度は嫉妬している自分に対して罪悪感を感じる、そしてまたそれを避けるために否定して相手に嫉妬するという悪循環に陥りやすいというデメリットも。 (2)他人と比べることが習慣になっている 他人と自分を比べてしまうのは、自己評価の低さが原因として挙げられます。自己評価が低いと、相手と自分を比較して安心を得ようとしますが、一方で、相手が成功している場合は、嫌悪感や焦り、不安の気持ちなどが高くなってしまうため、より自己評価を下げるということになってしまいます。
嫉妬への対処法とは?
(1)嫉妬を感じている自分に気づいて、否定しない 嫉妬の感情が生まれた時、どんな対応をしていますか? おそらく多くの人が、「嫉妬を感じないようにしよう」とか「嫉妬をしてはいけない」と否定したり、なくそうとするのではないかと思います。嫉妬は非常に強い感情なので、そう思うと余計に気になる、罪悪感が増すといったマイナスの現象が起きがちです。まずは、「嫉妬の気持ちを感じている自分がいる」という事実だけ受け止め、それに評価をしないようにしましょう。 (2)嫉妬の裏にどんな感情があるのかに気づく 嫉妬を感じている時は、その裏側に何か他の感情が潜んでいたりします。例えば、自分を蔑ろにされている感じがして寂しいのかもしれないし、努力しているのに認められなくて悲しいのかもしれません。何が嫉妬を起こすきっかけになっているのか、そこに潜む感情は何かについて目を向けていくと、嫉妬の気持ちが軽くなることがあります。 (3)どんな人、状況に嫉妬しやすいのかを知る 誰に対しても嫉妬するという人はあまりいなくて、嫉妬するとしたら恐らく、ある特定の場面や人物であると思います。例えば、自分とレベル感が同じかあるいは下だと思っている人、他者と自分を比べられて評価される場面など、嫉妬を感じる対象は個人によって違うと思いますので、自分はどんな人に嫉妬の感情を抱きやすいのか理解しておくだけでも、嫉妬の感情に飲み込まれずに済みます。 (4)自分にできていることを探してみる 嫉妬の感情を覚えている時はどうしても、「あの人と比べて自分は、できていないことが多い」と思いがちですが、他者と比べて自分ができていること、1つくらいはあるはずです。思いつく自分にできていることをノートやスマホのメモ機能などに書き溜めていきましょう。最初はそういった思考をするのが難しいかもしれませんが、続けていくことで徐々に慣れていきますし、自分の良いところが書き溜まっていくのを目にすることで、自分に対する自信が少しずつついていくと思います。