松尾潔・ジャニーズ性加害問題当事者の会解散に「この機会活かして」
特に日本人の国民性を考えると、あらゆる分野での健全な発展を考えたときに、このことに対して自覚的になるべきではないか、という提案をしていて、僕も本当その通りだなと思います。もちろん、自戒も込めて。 ■社会を健全な方向に持って行かないと被害者が報われない ジャニーズ性加害問題については「まだそんなことを言っている人がいるんだ」と軽く考えている人から「もうあの一件からテレビは見なくなった」という人まで、反応のグラデーションがあると思います。 我々が学ぶべきことのひとつは、この問題で露呈してしまった、日本社会における「長いものに巻かれる」という悪習の根強さでしょう。「これを奇貨として」という言葉がありますが、その悪習を改めるためには、みんなで社会を健全な方向に持っていくという強い意思を持つしかありません。 そうすることでしか被害者は報われないと思います。これから数年後に「結局また似たような事件が起きた」なんて言いたくないじゃありませんか。 僕自身、自分の(音楽プロデューサーという)生業について、これほど考えさせられる1年間はありませんでした。僕を取り巻く状況もいろいろ変わりました。今この時点でも、メディアで発言すると「リスクがある」と心配されることが多いというのが実情です。でも、言うことがタブーになるなんておかしいと僕は思うんです。
RKB毎日放送