93年ぶり甲子園ベスト8の大社、地元っ子集まる公立高の快進撃「夢と可能性は無限大」
【3回戦 大社3―2早実】延長十一回、無死満塁からエース馬庭が、大社を93年ぶりの8強に導くサヨナラ打を中前へ。土壇場の九回に1点差を追い付き、2試合連続で延長タイブレークを制する驚異の粘りに石飛監督は思わず、涙ぐんだ。「子どもたちの夢と可能性は無限大です」 【画像】躍動、感激の大社ナイン 1大会で初となる3勝を上げる原動力となったのは、1人でマウンドを守り続ける馬庭だった。粘り強く内外角を突き緩急をつけた投球で、春夏日本一の経験がある強豪と互角に渡り合った。「つらく、すごく苦しい試合だった。でも気持ちで乗り切った」。32年ぶり出場の公立校の善戦に、球場は後押しするような異様な雰囲気に包まれた。 思いもよらないミスも闘争心に変えた。1―1の七回の守りで先頭打者の中前打を藤原が後逸。球が転々と転がる間に一気に生還を許して勝ち越された。九回、同点機を広げるバント安打を決めた園山は「このまま藤原を島根に帰すわけにいかない。そんな気持ちで一丸になれた」。気落ちすることなく戦い抜いた先に、目標だった甲子園8強の道が開いた。 延長タイブレークに突入してからも内野陣が好守を連発、無失点で耐え抜いた。九回に同点スクイズを決めた高橋翔は「絶対に次も勝ち切って長くプレーしたい」。学校のある出雲市周辺の地元っ子による快進撃は止まらない。
中国新聞社