自身のポジション過信するな、40%が失敗とブリッジウォーターCEO
(ブルームバーグ): ヘッジファンド会社ブリッジウォーター・アソシエーツのニル・バーディー最高経営責任者(CEO)は、地政学的緊張が世界中の市場に影響を与える中、投資家が自分のポジションを過信することに警告を発した。
ブリッジウォーターでは400人のスタッフが、特定の出来事が市場にどのような影響を与えるかを緻密に分析しているが、それでも予想の40%は間違っているとバーディー氏がカタール経済フォーラムで語った。
「投資家が犯す最大の過ちは、自信過剰になることだと思う。ここでの投資家への私のアドバイスは、過去10-15年のルールブックを次の10-15年に当てはめないことだ」と話した。
バーディー氏は昨年、ブリッジウォーターの単独CEOに就任。旗艦ファンドの規模に上限を設け、人工知能(AI)により多くの資金と人材を投入し、アジア事業と株式事業を拡大するなど、同社の収益力を高めるための野心的な戦略にすぐに着手した。
ブルームバーグ・ニュースが以前報じたところによると、社内の多くの幹部はこの改革を称賛しているが、投資家の中にはここしばらくのリターンの悪さに不満を抱いている者もいる。
ブリッジウォーター、顧客の不満に応えられるか-事業好転の試金石に
ブリッジウォーターの「ピュア・アルファ」ファンドは、2023年のマイナス7.6%を含め10年にわたるさえないパフォーマンスの後、今年1ー3月(第1四半期)には約16%のプラスリターンを上げた。ブルームバーグが追跡するマクロヘッジファンドの平均リターン5.4%を上回った。
2015年にブリッジウォーターに入社したバーディー氏は、湾岸地域は拡大を続けているため、まもなく資本が流入し始めると考えていると話した。同氏はテルアビブ郊外で育ち、イスラエル国防軍の退役士官だ。
湾岸地域に「誰もが注目し、革新的な技術や信じられないようなものを構築する能力を目の当たりにしている。こうした関心の後に資本がすぐに続くだろう」とバーディー氏は語った。