新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペが、“快感”だったワケとは?
メルセデスAMGの新しい「GLE63 S 4MATIC+クーペ」は、見ても乗っても過激な1台だった! 小川フミオがリポートする。 【写真を見る】新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペの専用装備の詳細(21枚)
クオリティが高いエクステリア
スピード、利便性、機能、スタイル、ブランド……これらをすべてSUVに求めるユーザーには、2023年11月20日に日本発売が開始されたメルセデスAMGの新しいGLE63 S 4MATIC+クーペが良い。「ものすごい!」と、形容したいドライブ感覚が味わえる。 GLE63 S 4MATIC+クーペは、パフォーマンスにおいてGLEクーペラインナップの頂点に位置づけられるモデル。 メルセデスAMG社が組み上げた4.0リッターV8エンジンはツインターボチャージャーと、加速時にモーターが働くISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)をそなえ、450kW(612ps)の最高出力と850Nmの最大トルクを誇る。 GLEクーペは2020年にフルモデルチェンジした2代目。初代は2016年に、大型SUVクーペのマーケットに「おそるおそる」(当時の本社の開発責任者の言葉)導入したところ、すぐに大きなヒットとなった。 今回じっくり眺めてみたが、まさに威容だ。全長は4960mmに及び、1715mmの全高は大きな存在感を放っている。22インチ径のロードホイールと組み合わせた扁平率の低い(前輪が35%、後輪が40%)の低い、大径タイヤが強いスタンスを感じさせる。個性的なのはスタイルだ。ひとことでいうと、なめらか。ボディ全体はスムーズな曲面で覆われていてクオリティが高い。 大きく傾斜のついたリヤウインドウによって、側面から見ると、スポーティな印象を強く受ける。フロントまわりは、縦バーの入った大きなグリルの開口部がアグレッシブだけれど、たとえば「Gクラス」のようなコテコテ感はなく、都会的だ。 GLEといえば、過去にさかのぼっていくと、1998年に登場したMLクラス(日本だとMクラスと呼ばれた)にたどり着く。 米国工場で生産されていたため、“アラバマ・ベンツ”などと呼称されたモデルで、従来のクロスカントリー型SUVと大きく一線を画したデザインは、当時まことに斬新だった。映画『ジュラシックパーク』では、ティラノサウルスによって崖の斜面から落とされたりして、たいへんな目に遭ったりしたモデルだ。 GLEに生まれ変わってから、デザインにおいてMLクラスのような“もっさり感”は払拭され、今のラインナップでは、通常モデルが3列シートを採用し、クーペ版のスポーティとキャラクターをより明確化した。 今回のGLE63 S 4MATIC+クーペにおけるエクステリアデザインの改良点は以下のとおりとなる(プレスリリースからの引用)。 「よりシャープでメルセデスSUVの統一感ある新デザインのヘッドライト」 「よりシャープな印象を与える新デザインのテールライト」 「新デザインのボンネットエンブレム」 比較級が多く使われているのがおもしろいけれど(笑)、結果としてスタイリングの印象は前記のとおり。アグレッシブさも加味されたスポーティなものである。 同時に、インフォテインメントから安全運転支援システムにいたるまでコントロール機能をそなえたステアリングホイール、ボディ下面の映像を映すトランスペアレントボンネット、車両の勾配などの情報を出すオフロードスクリーン、それにARナビゲーションといった装備も搭載された。