オリックスの大逆転優勝に村上の56号本塁打。結果にはふさわしい要因がある【岡田彰布のそらそうよ】
ソフトバンクは緊張しオリックスは伸び伸び
56本塁打を打った村上。この1本を打てたのも、その前の試合や、前打席での結果が要因としてあるんよ。そこでしっかり打ったことがほんとに素晴らしい。おめでとう[写真=榎本郁也]
「ミラクル」とか「奇跡」とか、そういう表現を、オレは滅多に使わない。そういう結果を生むには、ふさわしい要因があり、起こるべくして起きた……と思っているからだ。野球とはそういうスポーツ。オレが阪神の監督最後のシーズン、そう2008年。勝負どころで3試合連続サヨナラ勝ちしたことがあった。 ファンやマスコミは「奇跡」と大騒ぎしてくれていたけど、オレは妙に冷めていた。そして親しい記者に本音を吐いた。「こんなん、ウチの野球やない。勝って不安になったのは初めてよ」と。とにかく1回と9回しか点が入らない。さすがに大喜びできなかった。 そんなことを思い出しながら、「野球は面白い。こんなことが起きるんやから」と、心底感じた2日間があった。まずはパ・リーグ。最後の最後までもつれたオリックスとソフトバンクの優勝争い。状況的にはソフトバンクが絶対有利やった。ひとつ勝てば優勝……の中、そのひとつが勝てない。シーズン142試合目、西武・山川穂高に浴びたサヨナラ弾。それでもソフトバンク有利は変わらなかった。 オリックスは勝つしかない。負けや引き分けは許されない。そこを勝ち切った。そして運命の143試合目、シーズンラストゲームにドラマが起きた。 伸び伸びと動くオリックスの選手に比べ・・・
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週刊ベースボール