今の時代、老後資金を「年金」のみに頼るのは「悪手」でしょうか?
「将来、年金だけで生活できるか不安」「老後の生活を支えるための準備ってなにが必要?」このように、年金に関する不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、年金だけに依存するリスクや老後の生活費について解説します。また年金以外に収入を得る方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
老後に必要な生活費用
まずは、老後にどのくらいの生活費用が必要になるか見ていきましょう。総務省統計局の調査によると、年齢階級ごとの2人以上世帯の消費支出額は、表1のとおりです。 表1
※総務省統計局「2022年(令和4年)家計の概要」を基に筆者作成 60~69歳では29万9362円、70歳以上になると23万7203円と高齢になるほど支出が減少していることが分かります。ただし、年金だけで生活できるかどうかを考えるにあたっては、年金受給額が重要です。
年金頼りはリスクが高い? 実際の年金受給額とは
年金は、国民年金と厚生年金の2つに分けられます。日本年金機構によると、年金受給額は令和5年度から原則2.7%引き上げられています。年金受給額の例は、表2のとおりです。 表2 令和6年度の年金額(昭和31年4月2日以降生まれの場合)
※日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」を元に筆者作成 国民年金は、満額受給の場合6万8000円です。厚生年金は、23万483円が夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な額となっています。ただし、国民年金と厚生年金どちらに関しても、未納期間がある場合は減額して支給される点には注意が必要です。 年金受給額と老後に予想される支出を比べると、国民年金のみの場合は満額受給であってもまったく足りないことが分かります。厚生年金を受給した場合でも、年金と支出の額がほとんど変わらないため、生活に余裕がない状態になる可能性があります。また未納期間があって減額される可能性も考慮すると、年金だけに依存した生活は難しいといえるでしょう。 老後の生活を安定させるには、しっかりと資金計画を立てることが大切です。また年金以外で収入を得る方法も知っておく必要があるでしょう。