18÷0=「0」は間違い?東大生が教える納得の解答 難しい知識がなくても理解できる「関数の極限」とは?
数学を使って世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は「関数の極限」について解説します。 ■数字は本当にゼロで割ることはできない? 皆さんは、小学生から「数字を0で割ると答えはどうなるの?」と聞かれたとき、どのように答えますか? 今の学習指導要領では、小学3年生で「割り算」を学習します。例えば「10÷5=2」という計算であれば、「10」が「割られる数」であり、「5」は「割る数」と名前がつけられています。この「割る数」が「0」である計算は成立するのかどうか。おそらく多くの人が一度は疑問に思ったことでしょう。
先日、とある小学校の算数のプリントに関するXの投稿が話題となりました。その内容は「18÷0の答えはいくつになるか」というものでした。投稿者のお子さんが「答えなし」と回答したところ、先生にバツにされて、答えがゼロと言われたそうです。 それに対して、「数字を0で割ることはできないはずだ」「答えは0にならないので、この採点は間違っている」という意見が相次ぎました。 電卓やスマホの電卓機能を用いて確かめてほしいのですが、「18÷0」のような割る数が0である割り算の答えは「エラー」や「計算できません」という表示となります。
では、「数字は0で割ることはできない」で終わる話なのでしょうか。この問題はそこまで単純なものではありません。 数字を0で割るとはそもそもどういうことか。割り算の定義から考えてみましょう。四則演算(足し算・引き算・かけ算・割り算)の1つである「除法(割り算のこと)」は、乗法(かけ算)の「逆演算」であると定義されています。これは、 かけ算 2×3=6 割り算 6÷3=2 と並べて見てみるとわかりやすいでしょう。つまり、例えば「18÷3 =?」という問題であれば、その逆演算であるかけ算を考え、