橋の耐震補強工事で124か所ミス、業者が隠蔽…震度7レベルで10~20cmの段差生じる恐れ
兵庫県は24日、三木市志染町の志染川にかかる「県道平野三木線窟屋(いわや)大橋」の耐震補強工事で、施工業者が粗雑な工事をしながら隠蔽(いんぺい)していたと発表した。震度7レベルの地震でも橋が落ちることはないが、10~20センチ程度の段差が生じる恐れがあるといい、県は施工業者に鋼材の取り換えなどの対策をさせるとともに、処分を検討している。
発表では、施工業者は「藤健建設」(小野市)と下請けの「タナカ工業」(姫路市)。2022年10月~23年6月、地震で段差が生じるのを防ぐための工事で、橋桁と橋脚などをつなぎ留める鋼材を固定するボルトの穴の位置を間違えたため、穴をあけ直したり、間違えた穴を溶接で塞いで塗装で隠したりし、県にミスを報告せずに工事を完了した。
23年9月、匿名の投書があり、県が調査した結果、計124か所でミスを確認。同様の工事が行われた県内169橋の緊急点検を始めた。県は「隠蔽を見抜けず反省している。再発防止に努めたい」としている。