「自分の打席でいかに後ろにしっかりつないでいくか」OB・大野豊が語るカープ打線
投手力を中心に、守り勝つ野球で首位争いを演じるカープ。ここではカープOB・大野豊氏が、今季の課題の1つでもある『打線』について、独自の目線で解説する。 【写真】前半戦、一時二軍降格となった島内颯太郎 ◆新井カープらしい、チーム一丸の戦いに期待 投手陣は盤石といえる今年のカープですが、一方、打線については、「誰か一人が打てばなんとかなる」という状況でもありません。まずは野手全員でつないでチャンスを待つことが重要です。まずはチャンスを待ち、タイムリーで確実に点を取る。打撃陣には、いかにうまく後ろにつなぐ打撃ができるか、という意識を強く持ってもらいたいと思います。 カープの強さはやはり『打線のつながり』です。本当に良い時というのは、1番から8番まではしっかりつないで得点を重ねて、勝つことができていました。現状ではそうした展開も難しいですから、繰り返しになりますが、自分の打席でいかに後ろにしっかりつないでいくかを意識してもらいたいですね。 ずっと好調を維持できる打者はなかなかいませんが、今のカープは全体的に打線が苦しんでいますから、起用する側もなかなか難しいところがあると思います。相手投手を攻略するために、全員がどう取り掛かるか、その意識を徹底することも大切です。 例えば徹底して右打ちにする、追い込まれるまでは徹底してチャンスを待つといった、相手バッテリーに「今日のカープ打線はいつもと違うぞ」と感じさせるような戦略も大切になってくるはずです。 4番がなかなか固定できない今、チーム全体に徹底した工夫が必要なのではないかと思います。そうして新しい工夫をした結果どうなるかはやってみなければわかりませんが、その結果を受けてまた次の工夫、策を考える。監督をはじめ首脳陣、選手それぞれが、一戦一戦考えながら戦っていってもらいたいと思います。 首脳陣には、まずは打つため、点を取るために、「チーム一丸となってどう戦っていくのか」という方向性を打ち出してもらいたいです。新井監督は信念の強い監督ですから、選手たちにそうした指示も出しやすいのではないでしょうか。ある程度は個々の選手に任せつつ、もう少し思い切った采配をしてみても面白いのではないかと感じます。やはり打線が元気にならなければ、ファンとしてもワクワク、ドキドキできません。投手だけでなく、野手陣にもさらに奮起してもらいたいと思います。
広島アスリートマガジン編集部