本音や課題を引き出す「デキる人の聞き方」
最近、職場での「コミュニケーションが希薄になっている」といった声を聞く機会が多くなりました。 その結果、業務連絡のミーティングなどは減っていないものの、相手が「どのように思っているのか」「どのような状況にあるのか」といった、背後にある思いや状況を把握する会話が減ってしまったのです。 そうした要素を把握することなく、円滑なチームワークを築くことはできません。 「そういうつもりではなかった」「なんで察してくれないのか…」。そんなモヤモヤを感じたまま、仕事を進めたくはないものです。 今回のテーマは、忙しい中でもお互いの「思い」や「状況」を、対話を通じて把握するコミュニケーションのコツを紹介します。 ヒントは、営業職が使う「質問のスキル」にあります。というのも、営業職の人たちは、数分で顧客の悩みを聞き出すことを日常的に行なっているから。 社内コミュニケーションにも充分に生かすことができる今回の質問スキルを、ぜひこの機会に身につけてくださいね。
相手の心をつかむマストスキル「拡大質問」とは?
ビジネスパーソンが必ず身につけたい質問のスキルがあります。それが「拡大質問(オープンクエスチョン)」というもの。 質問には、「限定質問(クローズドクエスチョン)」と「拡大質問(オープンクエスチョン)」の2種類があります。 限定質問 いわゆる確認の質問。一問一答式の質問で、「はい/いいえ」、あるいは単語で答えられるシンプルな質問。 例としては、「いつやったの?」「誰とやるの?」「何人?」など。 拡大質問 単語ではなく、相手が自分の思いを自由に「文章」で回答する質問。 たとえば、「どうしてそう思ったのですか?」「どんな背景があったのですか?」「どのようにするのが良いのでしょう?」など、相手の思いを聞くための質問。 職場でぜひ使っていただきたいのは、後者の「拡大質問」です。 そこで紹介したい「拡大質問」のフレーズが、以下の3つ。私は「3つの『ど』」と呼んでいます。 相手の思いを引き出す「3つの『ど』」 「どうして?」 「どんな?」 「どのように?」 これらの「ど」を組み合わせることで、相手の「思い」や「背景」を時間をかけることなく確認できます。会話は次のようなイメージ。 ・「差し支えなければ聞いてもいい? それができなかったのには、どんな背景があったの?」 ・「そうか。●●さんに相談しなかったのは、どうしてなの?」 ・「そうなんだ。それは相談しにくい状況だね。だとすれば、今後はどのようにするのがいいのかな?」 ・「たしかに。では、具体的に考えてみない? どんな方法がありそう?」 このように、相手に具体的に考えてもらい、話してもらう。この流れをスタンダードにするのです。まずは、拡大質問を積極的に使うようにしてみましょう。