令和6年度から始まる「森林環境税」とはどんな税金ですか? 私が住む地域では、すでに毎年500円の「森林税」が課税されているのですが、どう違うのでしょうか…?
自治体独自の森林税は、どのように使われているの?
自治体独自の森林税(県税)を導入している都道府県は約37府県です。県によって県税額が異なり、住民税に加算する方式で個人・法人に課税されています。 自治体独自の森林税制度が導入されている県に住んでいる人には、令和6年度から新たに森林環境税(国税)が上乗せされます。 森林環境税の課税開始前から森林に関する独自の県税徴収を行っている自治体では、独自の税と国からの「森林環境税」の使途やそれぞれの役割分担を明確にした上で、県と市町が協力・連携して森林整備を進めています。全国の自治体の中から、広島県と静岡県の事例を紹介します。 広島県は、県税として平成19年度から「ひろしまの森づくり県民税」を実施しており、税額は個人500円・法人は標準税率の5%相当です。広島県では集めた税の使途目的を「県民主体の森林づくり」としていて、手入れが不足している人工林の整備・景観が悪化した里山林を整備して維持する経費の補助・鳥獣被害防止などに取り組んできました。 そして静岡県では平成18年度から「森林(もり)づくり県民税」を実施しており、税額は個人400円・法人は年1000円から4万円(法人県民税均等割の税率に、5%を上乗せ)です。静岡県では集めた税の使途目的を「森の力再生事業」としていて、緊急に整備すべき荒廃した森林を対象に、間伐などを実施して森林を再生させることに取り組んでいます。
まとめ
森林環境税は国税で、温室効果ガス排出削減や災害防止を図る目的で創設され令和6年度の住民税に上乗せする方法で1人年間1000円が課税されています。税収は主に森林維持や木材の利用推進に使われます。 森林環境税が導入される前から独自の森林税(県税)を行っている自治体では、個人には400円から500円程度を課税しており、地域の実情に沿った森林整備を行っています。 国税と県税それぞれの使途が公開されているので、自分が住んでいる都道府県では森林保護にどのような取り組みを行っているのか注視することが望ましいでしょう。 出典 総務省・林野庁 令和4年度における森林環境譲与税の取組状況について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部