「103万円の壁」結論持ち越し 強気の国民民主「対応なければ前に進めない」
所得税の「103万円の壁」の見直しを巡り、与党と国民民主党との攻防が山場を迎えています。 【画像】川崎市長「税収減は500億円」 地方自治体「103万円の壁」見直しに反発
■“聖域”に国民民主が乗り込みも…
18日午後2時半ごろ、国民民主党の税制調査会が始まります。これまで大きく注目されていませんでしたが、今年は多くの報道陣が集まっています。 国民民主党 榛葉幹事長 「参加者よりマスメディアの方が多いんじゃない?」 国民民主党 古川税調会長 「ちょっと幹事長、何人かリクルートして。この中でうちの党から立候補したい人って」 ここまで注目されるとは、国民民主党も予想外だったのでしょうか。遅れてきた玉木雄一郎代表も、人波をかき分け席に着きます。 この税制調査会(通称・税調)は税に関する様々な提言を行う機関で、主要政党がそれぞれ議論を行っています。 その中で強大な力を持ち続けてきたのが、与党・自民党の税調です。「インナー」と呼ばれるごく一握りの議員が非公開の会合を重ねて、税制の議論を仕切ってきました。 高市早苗経済安保大臣(当時) 2022年12月 「昔から伝統的に予算は政府の方で決める。税は党の方で決めるということになっておりますので、党の税制調査会の議論を見守らせていただきたい」 そこは大臣さえ口出しできない聖域。自民党本部には毎年、税の議論が本格化する時期に合わせて、多くの業界団体が押し寄せ、通り過ぎる議員に要望を訴えます。 しかし、先の衆議院選挙で少数与党となった自民党。聖域は侵される事態となりました。
■自治体反発「税収に影響出る」
18日に開かれた自民・公明・国民民主による3党協議。政府の経済対策案に、国民民主党が求める「103万円の壁」の見直しが含まれておらず、国民民主党は明記するよう強く求めました。 これが実現しなければ「今後の予算審議などで協力できない」と主張している国民民主党。与党としては要求をのまざるを得ない状況ですが、足かせとなっているのが壁を見直すことによる税収の減少です。 川崎市 福田紀彦市長 「500億円、504億円、影響が出てくるということで、昨年度ベースで言いますと税収の13%(減少)」 千葉市 神谷俊一市長 「住民税の減収は約253億円に上る見込みで、地方税財源に影響を及ぼすことがないよう強く求めていく必要がある」 地方自治体からは18日もこうした主張が噴出し、与党はまさに板挟み状態。議論は19日に持ち越されることになりました。
■強気の国民民主「対応なければ前に進めず」
国民民主党 浜口誠政調会長 「(Q.あすの協議はどうやって進めていく?)103万円の壁、ガソリン減税について、しっかりとした対応がなければ前に進めないということは申し上げておりますので。その点をあすの段階でも中身を確認していきたい」 あくまで強気の国民民主党。一方の自民党は…。 自民党 小野寺五典政調会長 「まだ議論の中身については、表に出す段階ではありません。私ども総合的にいろんなことの意見交換をしている」 (「グッド!モーニング」2024年11月19日放送分より)
テレビ朝日