「3P成功率が61%は普通ではない」元日本代表が見たブラジル戦 ホーバスジャパンは3試合で何を得たのか【パリ五輪】
パリ五輪・1次リーグB組の第3試合が8月2日に行われ、 日本代表はブラジル代表に84-102で敗れた。エースの八村塁を欠いたこの試合、そして今大会の3試合を「元日本代表選手」はどう見たのか。トム・ホーバス体制下で最後まで五輪メンバー争いに名を連ね、このオフにシーホース三河へ移籍した須田侑太郎に試合の感想を聞いた。 【画像】ビジュ爆発!日本バスケを全力応援する広瀬すずのレアショット ◆ ◆ ◆ ブラジル戦は相手のシュートが”入りすぎ”ましたね。3ポイントの成功率が61%というのは普通ではない。60%以上なんてBリーグのシーズンでも1試合あるかないかというレベルです。勝負所でのオフェンスリバウンドを相手に取られたりとか、そういう場面もありましたが、やはりブラジルのシュートが入りすぎた、という印象が強い試合でした。 それだけ高確率でシュートを決められても、日本は粘り強く戦えていました。3試合目ということで疲れが出ていた部分はありましたが、日本らしい粘り強さを随所に発揮して、最後まで分からない展開に持って行けたと思います。 八村塁選手が怪我で不在の中、得点力やリバウンドの部分で影響がありながら、ホーキンソン選手や渡邉雄太選手、吉井裕鷹選手などが献身的に身体を張って、八村選手の不在の穴を埋めようと奮闘していました。河村勇輝選手もよりアグレッシブになっていましたし、みんなが役割をしっかり果たしていたと思います。それでもブラジルが日本を上回ってきた。それが世界の強豪の力なんだと思います。 ドイツにしても、フランスにしても、ブラジルにしても、タフなシュートを決め切ってくる強さがあった。日本もこれが決まっていればというシーンはあったので、そこで決めきる力がでてくると、またひとつ階段を登れるのかなと思います。 一方で、この3戦を通して、特に吉井選手が象徴的なんですが、サイズで劣りながらもフィジカルを活かして粘り強く戦えていました。そういうところが日本が成長していく上での大事なポイントなのかなと感じます。泥臭く、数字に現れない部分が吉井選手の良さでもあるし、彼のような選手がいるからチームが大崩れしない。ホーキンソン選手もディフェンスして身体を張ってリバウンドに入って、その上で速攻にも走っている。そういう献身的な部分を大事にしていけば世界と戦えるというのを、今回のチームが証明してくれたと思います。 フランス戦なんてどちらが勝ってもおかしくなかった。なんなら日本が勝っていたと言ってもいいくらいの試合でした。そのなかで色々と言われていることはありますが、最後の最後にビッグショットを決めたフランスの強さもあったと思います。ただ、世界の強豪に対して、以前であれば誰も想像しなかったような試合展開を見せてくれたのは、僕にとっても大きな刺激になっています。誇らしいというか、本当に勇気をもらいました。僕もこのチームに関わらせてもらってチーム事情を知っているだけに、日本が進む方向は間違っていないんだなというのを改めて感じさせてもらいました。 今回の代表チームが日本にもたらしてくれたものは、やっぱり凄く大きい。バスケットに関わるすべての人が可能性を感じさせてもらったと思うので、それを無駄にせずに、僕も日本バスケの発展に少しでも貢献できたらと思っています。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]