メジャーを模倣し続ける日本プロ野球。『ノー』と言える勇気を持つべきだよ【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
メジャーで変わるルールを模倣日本でのルール変更は改悪か
二刀流の大谷にとっては有利にも不利にもなるMLBのルール変更。日本球界はそれをただ模倣すればいいというわけではないはずだ[写真=Getty Images]
野球はアメリカ生まれのスポーツだから、海の向こうから伝わってくるルールやシステムをマネして採り入れるのは仕方のないことだと思う。 しかし、昨今の日本球界を見ていると、ただマネをするのは良いが、アメリカのやり方を自分たちのご都合主義で勝手に捻じ曲げて採り入れた部分もある。 俺が以前にも指摘した先発投手の「中6日100球」も、その一つだよ。これはメジャー・リーグの「中4日100球」のシステムを自分たちに都合よく解釈して採り入れたやり方だと、俺は思うね。このままでは、日本プロ野球のピッチャーは登板機会が減って、通算200勝を超えるのは、ほとんど不可能な状態に陥ってしまうかもしれない。 2018年から導入されたリクエストの制度にも同じことが言える。日本でも徐々にビデオ判定が採り入れられるようになり、18年から現在の制度になった。しかし、このリクエスト一つを例に挙げても、日本とアメリカではかなり事情が異なる。ベンチから監督が出てきて、球審にリクエスト(MLBではチャレンジ)の権利を行使して、映像による再審を求める。 日本では審判団がグラウンドから退去して、球場内の指定された部屋で映像をチェックしているじゃないか。ところが、アメリカでは審判団はグラウンドに残り、映像を見て判定を下す人間は当事者ではなく、MLBに所属するスタッフだ。各球場からオンラインでつながった映像をニューヨークの本部にいる第三者がチェックするシステムになっているんだよ。 しかし、日本では球場の映像によって判定が行われている。これでは球場にとってバラつきがあるから、公平な判定などできるわけがない。日本もアメリカ並みに全球団をネットワークでつないで、NPBのスタッフが判定できるシステムを構築する必要があると思うよ。 リクエストの制度は審判の威厳を損なうという人もいるけれど・・・
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週刊ベースボール