【岡田彰布コラム】四球が、今年もカギを握る。それが阪神の戦い方やしな。投手陣に敗戦処理投手はいないわ。5月はそれなりの戦いをするよ
4月は苦しい戦いの連続やった
開幕から約2週間は、打線が機能せず、苦しんだ。でも徐々に打線が上がってきたけど、それを我慢強く耐えてくれた投手陣がいたから。3つの引き分けがそれを物語っているよね
【岡田彰布のそらそうよ】 ペナントが開幕して1カ月あまり。開幕当初、打線が低調で、勝ち切れない試合が続いたが、気が付けば貯金をつくり、首位に立った。打線が上向きの中、投手陣は相変わらず好調で質の高さを示している。さあ、5月は一気に5球団を引き離しにかかりたいところだ。 写真=BBM 1カ月に一度の「そらそうよ」です。週刊ベースボールの読者の皆さん、お久しぶりです。阪神タイガース監督の岡田彰布です。 2024年シーズンがスタートし、早くも1カ月が過ぎました。早いもんです。アッという間の1カ月……。これを書いている時点では首位にいるのですが、そのことはあまり気にしていない。そら、上にいるに越したことはないけど、そんなん、意識する時期でもないしね。まあ、いつも言っているように勝率5割をキープしてたら、まずは合格ですわ。 それでも阪神ファンをドキドキさせたのは事実です。苦しい戦いの連続だった。4月、これほど得点できないか……というくらい打線は低調だった。とにかく2点以上、取れないんやから。だから1度、大幅な打線の組み換えもやってみた。近本(近本光司)を三番にして、大山(大山悠輔)を四番から外してと、まずはリセットしてという考えで総入れ替えしたのだが、もちろん、これは1試合のみ。気持ちを変え、リフレッシュできれば……という狙いだった。 得点できない。今シーズン、この傾向は阪神だけではなかった。巨人もそうなっているようで、これもシーズンの初め、春の現象なんやろね。昔から言われてきたのが春は投手力。ピッチャーが元気で投高打低の傾向が顕著に表れる。それが夏場にさしかかると、投手に疲労が出て、打高投低に一気に変化する。これが球界の言い伝えとなっている。 ◎ そんな中、タイガースはどうよ、って話になる。親しい知人と会えば、必ず聞かれる。「どうなん?」。オレは答える。「ようやってるわ。もっと負けててもおかしくなかった。それがこの数字よ。これで十分とちゃうかな」。これが正直な気持ちやな。 この4月、勝ち越しで終わることができた。あれだけ打ててなかった状態で、よく勝率5割を上回ったもんよ。ホンマ、もっと負けていても不思議でなかったわけ。それを盛り返したんやから、チームとして大したもんやと素直に思うよね。 数字が如実に表している。チーム打率はリーグで・・・
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週刊ベースボール