「スカウト型」の就活 大学が企業を厳選、学生からは「安心」の声
■特集:大学新時代
就職活動は、いつの時代も学生にとって一大事。しかし、今の学生は働き方や企業に対する考え方、就活方法が、保護者の時代より多様化しています。世の中にあふれる玉石混交な情報をどう取捨選択するかによっても、就活の明暗は分かれます。最近は、大学側が「スカウト型」など新しい形の就職活動を取り入れて、学生が知らなかった企業に出会えるように、就活をさまざまな角度からサポートしています。 【写真】スカウト・逆求人型サービスを利用して良かった点
大学が就活を強力サポート
親世代のころとは変化している就活の代表的なものの一つが、スカウト型サービスの登場です。スカウト型とは、学生がプロフィルや自己PRなどを登録すると、その情報に興味を持った企業から、会社説明会や面接の案内が直接届くというものです。学生から企業にアプローチする従来の就活とは逆の仕組みで、社会人の転職市場では主流になりつつあるこのサービスが、新卒採用でも広がりつつあります。 リクルート就職みらい研究所の2024年の調査によれば、スカウト型を活用している企業は約3割に及びます。スカウト型サービスで最も登録者・登録企業数が多い「OfferBox(オファーボックス)」では、24年卒の登録者に対して約1万7000社から合計700万件ものオファーが届いていたといいます。
大学独自の「スカウト型」サービス
このような企業とのマッチングを、独自のシステムで取り入れているのが創価大学です。22年度末にリリースした「キャリナビScout!」は、企業側から学生にオファーできるだけでなく、学生側からも企業へアプローチできるスカウト型というのが特徴です。 キャリア・就職支援課の染谷伸夫副課長は、導入した経緯についてこう話します。 「私がキャリアセンターに来てから、リーマンショックや東日本大震災、コロナ禍など、学生の就職が大打撃を受ける出来事が何度もありました。しかし、そうしたなかでも変わらず学生を採用してくれた企業がありました。そんな企業と学生が効率よくつながるきっかけを提供したいと考え、キャリナビScout!を立ち上げました」