遺産1億円の相続税が1220万円から770万円に下がった…「遺産総額を減らす」だけではない相続税の減らし方
■納税資金の用意より重要なのは家族間のすりあわせ 相続税の現状分析では、「相続税がどれくらいかかるかを知り、納税資金が足りるかを見ればいい」と思っている方も多いです。ですが、これよりも重要なのは「ご家族間の意向のすり合わせをしておくこと」です。 すり合わせとは、財産を残す親の意向と財産をもらう子供の意向を、生前の段階でお互い把握することです。ようするに家族同士でミスマッチを起こさないようにすることが重要です。 例えば、お父さんの気持ちとしては「この不動産をもらってほしい」と思っていても、娘からすると「不動産は使わないのでもらっても困るなあ。どちらかというとお金が欲しいわ」と思っているかもしれません。 また仮に「全財産を長男に残したい」と思っていたとしても、他の兄弟からすると「いやいや私にももらう権利あるからもっと欲しいよ! もらえないのだったら弁護士立てて訴えてやる」といった感じで、事前にお互いの気持ちをすり合わせしなかったことでミスマッチが起きて、家族の仲が悪化してしまうかもしれません。 よって現状分析では、家族それぞれの意向をすり合わせし、後々争いにならないように対策をしておくことが重要です。 ---------- 大田 貴広(おおた・たかひろ) 円満相続税理士法人 代表社員 歴10年の相続専門税理士。遺産総額100億円超から数千万円まで幅広い案件を手掛け、通算300件以上の相続税申告を担当。相続税の相談実績は3000人を超える。著書に『相続のお金の残し方「裏」教科書 専門税理士が限界ギリギリまで教える“99%節税できて100%モメない”方法』(KADOKAWA)。 ----------
円満相続税理士法人 代表社員 大田 貴広