3人目の子どもが生まれました。児童手当が増額されるので、児童手当を貯金するだけで3人を大学に通わせることができるでしょうか?
2024年10月に児童手当が変わりますが、Aさん夫婦は3人目の子が生まれ、3人分の教育費が気になっているようです。Aさんのお子さんは、第1子は6歳、第2子は3歳で、これまで児童手当をすべて貯金してきました。 そこで本記事では、3人分の児童手当をすべて貯金すれば大学費用として足りるのか、児童手当改正の内容と大学費用への備えについて解説します。 ▼「3人目3万円」に思わぬ落とし穴! 2024年12月に前倒しになった「児童手当拡充」の注意点
児童手当の変更内容
2024年10月1日より児童手当の所得制限がなくなり、支給期間も中学生までから高校生までに延長されます。さらにAさんのように、子どもが3人いる家庭には第3子以降は支給額が月額3万円にアップします。子育て世代にとっては非常にありがたい内容ですが、3人目に対して高校卒業までずっと3万円が支給されるわけではありません。 その理由が子の数のカウント方法にあります。児童手当でいう「子」とは高校卒業までの子を指します。したがって第1子が19歳になると第1子は「子」でなくなり、第2子が第1子に繰り上がり、第3子が第2子に繰り上がるため、その時点で第3子は第3子でなくなり、支給金額は3万円から1万円になります。 しかし、今回の改正で18歳以降でも親が生計を負担しているなら、22歳までの子を「子」としてカウントすることになりました。 Aさんの場合、第1子が6歳、第3子が0歳です。第1子が22歳のとき、第3子は16歳ですから、それまで第1子に対して親が生活費を負担しているような状況であれば、第3子は16歳までは第3子としてカウントされ3万円支給されます。 第1子が22歳年度末を過ぎると子としてカウントされませんから、第2子が第1子に繰り上がり、第3子が第2子に繰り上がり、2人とも支給額は月額1万円です。
児童手当の総額はいくら?
ではAさんの場合、児童手当が総額でいくらになるのでしょうか。概算で計算してみましょう。 第1子:3歳まで1万5000円、3歳から高校卒業まで1万円 ⇒ 総額約200万円 第2子:3歳まで1万5000円、3歳から高校卒業まで1万円 ⇒ 総額約200万円 第3子:16歳まで3万円、16歳から高校卒業まで1万円 ⇒ 総額約600万円 (第1子が22歳まで親から生活費援助を受けていると仮定) 概算ではありますが、2024年10月から第1子と第2子は約200万円、第3子は約600万円受け取れると予想されます。 Aさんは児童手当を貯めれば大学に行けるか心配されていますが、大学費用は国立、私立文系・理系で金額が異なります。国立は約240万円、私立は450万~600万円ですから、第3子については児童手当で大学の費用をまかなえそうです。 一方、第1子と第2子については大学費用の目安を500万円とすると、その半分を児童手当でまかなえることになります。残り半分は、これから作らないといけません。しかし、まだ6歳と3歳ですからNISAも活用しつつ積み立てていくとよいでしょう。 (※ 今回は「大学無償化制度」等を加味していません)